計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
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パスカル(ぱすかる)

(pascal) 圧力や応力の単位[Pa]。SI(国際単位系)の1つ。計測器の圧力計で良く使われている。台風や低気圧の程度を980hPa(ヘクトパスカル)のように表記する。気象の世界では長らく気圧の単位はmbar(ミリバール)だったが、SI単位系の制定によって、日本では1992年からmbarはhPaに表記が変った(mbaとhPaは同じ数値)。1992年(平成4年)以前のTVやラジオの天気予報では、台風の大きさはミリバールだった。

バックエンド(ばっくえんど)

(back end) back endは後部(の)、後工程(の)、最終段階(の)、などの意味。 ソフトウェアやシステムの構成要素では、利用者や他のシステムから見えないところでデータの処理・保存を行う要素を指す。ソフトウェアの場合は利用者が触れない機能や処理を担当するプログラムをバックエンドといい、利用者への表示や操作の受け付け、別の外部機器やシステムとの入出力などはフロントエンド(front end)という。 WebシステムやWebアプリの開発ではフロントエンドとバックエンドは別々に製作される。フロントエンドはユーザが目にする部分を指し、バックエンドは舞台裏であるサーバーが担う部分である。Webサーバー側やデータベースのシステムなど、ユーザの目には見えない部分をバックエンドと呼んでいる。 原子力の用語では、核燃料サイクルのうち、核燃料製造や原子力発電所での運転をフロントエンドといい、放射性廃棄物の処理や使用済燃料の再処理、原子力施設の廃止などをバックエンドという。ここでは前工程、後工程という意味でフロントエンドとバックエンドは使われている。 原子力関連の論文で、DUTから測定値を得た後のPCでの解析について、「DAQバックエンドの処理」、「バックエンドソフトウェア」と表現するものがあった。この論文は核燃料サイクルの後工程(バックエンド)ではなく、計測後のソフトウェアによる処理をバックエンドといっている。計測の用語としては、センサからの微弱な信号を受けて、それを適切な電圧値やデジタルデータに変換し、記憶する機能をフロントエンドと呼ぶ(主に振動やひずみなどの測定ではDAQがそれを担うことが多い)。それに対して、フロントエンドから送られたデータを使いPCなどでデータの処理(解析など)を行うことは後処理なのでバックエンドと呼称される行為といえる。計測の分野ではフロントエンドは既知の認知されたことばだが、筆者は(上記の原子力の論文のように)計測でもバックエンドといって良いと考える(計測の用語としてのバックエンドはあまり使われてはいないが)。 前述のWeb開発でも、ユーザが目にするWebサイトを「フロントサイト」というが、裏側でフロントサイトを管理(表示などの制御)しているサイトをバックサイトではなく「管理サイト」と呼んでいる例がある。この例は「フロントは良く使うがバックはあまり使わない」という慣習を伺わせる。

発生器(はっせいき)

(generator) 電気的な物理量を出力する機器のこと。計測器としての代表的な発生器としては信号発生器(signal generator)がある。具体的にはパルス発生器(パルス信号発生器)や任意波形発生器、RF信号発生器 、映像信号発生器、ファンクションジェネレータ、白色雑音発生器、デジタル信号発生器、掃引信号発生器、FG、SGなどたくさんの機種群がある。必ずしも「信号発生器」という名称ではない。 信号以外には、圧力発生器や直流電圧電流発生器、SMUなどがある。 電源(計測用電源としての安定化電源)や光源も発生器だが、「源(source)」という漢字を使い発生器とは呼ばれない。信号発生器と電源では信号かそうでないか(電源は電力を発生する源)で区別されるが、圧力は圧力発生器ではなく「圧力源」でもおかしくないが、源でなく発生器と呼ばれている。光通信測定器の光源は「光信号発生器」であるが、あまり「光信号」という表現はせず、光源と呼称されている。使い分けの正確な定義は難しい。電流電圧発生器と安定化電源(CV/CC電源)との違いは、SMUなどの電流電圧発生器は安定化電源より出力精度が高いことで、交流電圧電流発生器は標準器も多い。SMUとCV/CC電源の違いは以下の記事を参照のこと。 参考用語:発信器・・発振器とは違う。

Panametrics(ぱなめとりくす)

超音波流量計の老舗計測器メーカ。半世紀前にガス流量計で市場に参入し、現在でも流量計のトップブランド。日本法人は日本パナメトリクス株式会社だったが、Panametricsは2002年にGEのセンシング部門(GEセンシング)に買収され、2017年にはGEが資本を引き揚げ、現在はBaker Hughes(日本ベーカー・ヒューズ株式会社)になっている。そのためPanametricsは会社名ではなくブランド名である。Baker Hughesには圧力計のDruckもあるが、タービンなどの産業装置もあり、Panametricsは石油やガスを含むさまざまな産業で水分、酸素、液体、ガス流量を測定するソリューションを展開している。Baker HughesはDruck以外にも工業用内視鏡などのWaygate Technologiesなど、複数の製品群・ブランドをもつ、OIL&GASの世界的な会社である。 日本では、富士電機や東京計器、横河電機などが流量計をつくっている。

ハプティクス(はぷてぃくす)

(haptics) 五感の一つである触覚についての研究領域。振動などを人間に与え、皮膚感覚を得るテクノロジ。触覚技術(haptic technology)とも呼ばれる。すでにゲーム機やスマホに導入されている。2017年秋の展示会(センサエキスポ)に英国Ultrahaptics社の空中ハプティクス技術(超音波を使って空中に触感を作る)が披露されている(以下の参考記事)。 同社は2019年にUltraleapと社名変更し、256個の超音波素子を使って特定の場所に音圧を作り出すスピーカ(空中ハプティクス装置)を発売している。耳で聞こえる可聴帯域の周波数だけではなく、より高周波の振動を人間は感じることができ、そのような周波数の含まれた音楽は迫力が違うことがすでに明らかになっているので、空中ハプティクス技術を使ったオーディオ機器は今後増えると予想される。

反射率(はんしゃりつ)

非接触温度計(放射温度計、サーモグラフィー)の用語としては、「物体から反射された放射エネルギーと物体に入射する放射エネルギーとの比(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)」。

反射率補正(はんしゃりつほせい)

非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)の用語。放射率が1以下の物体でも正しく温度表示するために行われる補正のこと。一般に増幅器の利得をあげることにより放射率補正を行うが、補正に先立ち環境放射の反射成分が無視できない場合は環境温度補正を行う場合がある。関連用語:放射率、環境温度補正。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

ハンドポンプ(はんどぽんぷ)

手動で圧力を発生するポンプ。(=圧力発生ハンドポンプ)

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