計測関連用語集

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パスカル(ぱすかる)

(pascal) 圧力や応力の単位[Pa]。SI(国際単位系)の1つ。計測器の圧力計で良く使われている。台風や低気圧の程度を980hPa(ヘクトパスカル)のように表記する。気象の世界では長らく気圧の単位はmbar(ミリバール)だったが、SI単位系の制定によって、日本では1992年からmbarはhPaに表記が変った(mbaとhPaは同じ数値)。1992年(平成4年)以前のTVやラジオの天気予報では、台風の大きさはミリバールだった。 株式会社パスカルはPLD(Pulse Laser Deposition )装置の世界的なメーカで、商社としてはアジレント・テクノロジーの真空機器の販売最大手である。科学分析機器、理化学機器の範疇の企業なので、物理量の代表ともいえる圧力の単位、パスカルを社名にしているのは自然だと筆者は感じる。1986年に真空関連機器 ・装置 ・ 部品の商社として設立時に、会社名をパスカルにした由来は不明。

波長掃引光源(はちょうそういんこうげん)

(Wavelength Swept Light Source) RFのスイーパ(掃引信号発生器)が交流信号(電波)の基本である周波数を掃引する(時間的に変化させる)ように、光の基本である波長を掃引する光源。光ファイバ通信用途で1990年代に登場した波長可変光源(チューナブルレーザ)とは機能が異なる。 積極的に波長掃引光源をつくっているのは通信計測器の老舗、アンリツである。同社には計測器事業部門とは別にデバイスカンパニーがあり、世界中に高性能な光部品を販売している(同社のビット誤り率測定器に使われるPPGやPD(検出器、デテクタ)には自社の高性能なデバイスが使用され、世界No.1の最高速度のBER測定を実現している)。デバイスカンパニーは波長掃引光源を使ったOFDR方式のひずみ測定器を提案し、今後有望であるという手ごたえを得ている(以下の参考記事が詳しい)。 OFDRに活用される同社の可変光源は、下限と上限の波長が一定で、掃引スパンが固定で、開始ボタンを押したら下限波長から上限波長に掃引し、上限波長から折り返して下限波長に戻る、という動作を繰り返すことで、STOPボタンを押したら掃引を止め、出力も中止する。つまり、中心波長や可変スパンの設定、途中で掃引を停止させて安定化光源のように、一定の波長で出力する、という機能はない。同社が考えるひずみ測定向けのOFDR用の波長掃引光源は、1990年代に同社の通信計測器カンパニーが発売した波長可変光源のような(通信用途の)高級な機能はない。モデルAQx5500シリーズの初号器を2020年に発売し、2022年には医療用途のAQA0600Aをリリースしている(※)。 アンリツと同じく光通信計測器とデバイスの事業をしているsantec(サンテック)はOFDRを使いシリコンフォトニクス、光電融合、光導波路など光デバイスの評価を行う、波長掃引型フォトニクスアナライザ(Swept Photonics Analyzer) SPA-100をラインアップしている。同社は半導体を使った外部共振器型の波長可変レーザー TSL(Tunable Semiconductor Laser)シリーズを1988年に世界初で製品化し、現在も波長可変光源では世界トップである。SPA-100は同社のTLSシリーズ可変波長光源とつなぎ、TLSシリーズのアドオンモジュールとして機能するという構成である。つまり、同社の「光通信用のOFDR」は掃引型という名称だが、アンリツのような波長掃引光源ではなく(通信用途の)波長可変光源を使ったアプリケーションである。同社にはアンリツのような波長掃引光源と呼ぶモデルはない。 以上からわかることは、同じOFDRという測定手法でも、ひずみ測定用には波長掃引光源、光導波路などの光通信には波長可変光源が使われる。 (※)アンリツの波長掃引光源はカテゴリー 光測定器の範疇であるが、往年のアンリツの計測器をつくってきた事業部門の波長可変光源(wavelength tunable light source)とは違い、無線測定器の掃引信号発生器(スイーパ)のように、品名が掃引である。同社の製品形名の頭は、Mが計測器事業部門、Aがデバイス事業部門を表している(以下の参考記事「計測器の形名」が詳しい)。AQA5500Aは2020年に発売され、2022年のセンサエキスポジャパン(代表的なセンサの展示会)に出展している(ひずみセンシングの新製品の提案)。 光測定器である同シリーズの、形名の2文字目がQであることに筆者は因縁を感じる。1980年代にアンリツと共にNTTに光通信測定器を納入し、光ファイバ通信の基礎研究から国内の光ファイバ通信網の普及に貢献した競合の安藤電気は、光測定器の形名がAQ-xxxx(xは数字)である(形名の2文字目のQが光計測器を示している)。また1990年代に高周波の計測器に参入したアドバンテストの光製品のモデル名はQ8155A 波長可変光源、Q8163 偏波スクランブラ、Q8384 光スペクトラムアナライザなど、形名の頭がQである。「光計測 3A」の内の2社が光測定器の形名にQを使っている。他方、アンリツは光測定器を示す形名をつくらなかった(MN4803A RFパワーメータ、MN9001A 光パワーメータと、「Nは光とRFともにパワーメータを示す」という命名で、光測定器を示すアルファベットはない)。ところがアドバンテストが計測器事業から撤退し、安藤電気が横河電機(現横河計測)に吸収され「光計測 3A」時代が終わった2000年代初頭から20年後に、アンリツは形名にQを付けた光計測器を発売したのである。安藤電気とアドバンテストがQを使ったのはまったくの偶然だが、アンリツまでQとなると、まるで「光測定器はQを命名する」という隠された法則でもあるようである。

バックエンド(ばっくえんど)

(back end) back endは後部(の)、後工程(の)、最終段階(の)、などの意味。 ソフトウェアやシステムの構成要素では、利用者や他のシステムから見えないところでデータの処理・保存を行う要素を指す。ソフトウェアの場合は利用者が触れない機能や処理を担当するプログラムをバックエンドといい、利用者への表示や操作の受け付け、別の外部機器やシステムとの入出力などはフロントエンド(front end)という。 WebシステムやWebアプリの開発ではフロントエンドとバックエンドは別々に製作される。フロントエンドはユーザが目にする部分を指し、バックエンドは舞台裏であるサーバーが担う部分である。Webサーバー側やデータベースのシステムなど、ユーザの目には見えない部分をバックエンドと呼んでいる。 原子力の用語では、核燃料サイクルのうち、核燃料製造や原子力発電所での運転をフロントエンドといい、放射性廃棄物の処理や使用済燃料の再処理、原子力施設の廃止などをバックエンドという。ここでは前工程、後工程という意味でフロントエンドとバックエンドは使われている。 原子力関連の論文で、DUTから測定値を得た後のPCでの解析について、「DAQバックエンドの処理」、「バックエンドソフトウェア」と表現するものがあった。この論文は核燃料サイクルの後工程(バックエンド)ではなく、計測後のソフトウェアによる処理をバックエンドといっている。計測の用語としては、センサからの微弱な信号を受けて、それを適切な電圧値やデジタルデータに変換し、記憶する機能をフロントエンドと呼ぶ(主に振動やひずみなどの測定ではDAQがそれを担うことが多い)。それに対して、フロントエンドから送られたデータを使いPCなどでデータの処理(解析など)を行うことは後処理なのでバックエンドと呼称される行為といえる。計測の分野ではフロントエンドは既知の認知されたことばだが、筆者は(上記の原子力の論文のように)計測でもバックエンドといって良いと考える(計測の用語としてのバックエンドはあまり使われてはいないが)。 前述のWeb開発でも、ユーザが目にするWebサイトを「フロントサイト」というが、裏側でフロントサイトを管理(表示などの制御)しているサイトをバックサイトではなく「管理サイト」と呼んでいる例がある。この例は「フロントは良く使うがバックはあまり使わない」という慣習を伺わせる。

発生器(はっせいき)

(generator) 電気的な物理量を出力する機器のこと。計測器としての代表的な発生器としては信号発生器(signal generator)がある。具体的にはパルス発生器(パルス信号発生器)や任意波形発生器、RF信号発生器 、映像信号発生器、ファンクションジェネレータ、白色雑音発生器、デジタル信号発生器、掃引信号発生器、FG、SGなどたくさんの機種群がある。必ずしも「信号発生器」という名称ではない。 信号以外には、圧力発生器や直流電圧電流発生器、SMUなどがある。 電源(計測用電源としての安定化電源)や光源も発生器だが、「源(source)」という漢字を使い発生器とは呼ばれない。信号発生器と電源では信号かそうでないか(電源は電力を発生する源)で区別されるが、圧力は圧力発生器ではなく「圧力源」でもおかしくないが、源でなく発生器と呼ばれている。光通信測定器の光源は「光信号発生器」であるが、あまり「光信号」という表現はせず、光源と呼称されている。使い分けの正確な定義は難しい。電流電圧発生器と安定化電源(CV/CC電源)との違いは、SMUなどの電流電圧発生器は安定化電源より出力精度が高いことで、交流電圧電流発生器は標準器も多い。SMUとCV/CC電源の違いは以下の記事を参照のこと。 参考用語:発信器・・発振器とは違う。

Panametrics(ぱなめとりくす)

超音波流量計の老舗計測器メーカ。半世紀前にガス流量計で市場に参入し、現在でも流量計のトップブランド。日本法人は日本パナメトリクス株式会社だったが、Panametricsは2002年にGEのセンシング部門(GEセンシング)に買収され、2017年にはGEが資本を引き揚げ、現在はBaker Hughes(日本ベーカー・ヒューズ株式会社)になっている。そのためPanametricsは会社名ではなくブランド名である。Baker Hughesには圧力計のDruckもあるが、タービンなどの産業装置もあり、Panametricsは石油やガスを含むさまざまな産業で水分、酸素、液体、ガス流量を測定するソリューションを展開している。Baker HughesはDruck以外にも工業用内視鏡などのWaygate Technologiesなど、複数の製品群・ブランドをもつ、OIL&GASの世界的な会社である。 日本では、富士電機や東京計器、横河電機などが流量計をつくっている。

ハプティクス(はぷてぃくす)

(haptics) 五感の一つである触覚についての研究領域。振動などを人間に与え、皮膚感覚を得るテクノロジ。触覚技術(haptic technology)とも呼ばれる。すでにゲーム機やスマホに導入されている。2017年秋の展示会(センサエキスポ)に英国Ultrahaptics社の空中ハプティクス技術(超音波を使って空中に触感を作る)が披露されている(以下の参考記事)。 同社は2019年にUltraleapと社名変更し、256個の超音波素子を使って特定の場所に音圧を作り出すスピーカ(空中ハプティクス装置)を発売している。耳で聞こえる可聴帯域の周波数だけではなく、より高周波の振動を人間は感じることができ、そのような周波数の含まれた音楽は迫力が違うことがすでに明らかになっているので、空中ハプティクス技術を使ったオーディオ機器は今後増えると予想される。

バランシングマシン(ばらんしんぐましん)

(balancing machine) 日本語では「動釣合い試験機」だが、バランシングマシンも良く使われる。部品を回転させたときに発生する振動を計測し、質量の最も重い(または軽い)位置とその量を検出する。計測データを解析することによって、「釣り合い良さ」(回転時の釣り合い)の可否を判定する計測機器。振動測定器の1種だが、回転体の動的な釣合いの良さを測定し、回転振動の低減に役立てるための試験装置。測定対象の回転体(や回転機構)を回転させるための駆動機構を備えた大型の装置。回転する部品(たとえば自動車のタイヤなど)のアンバランスを測定することができる。なので、バランス(釣合い)の機械(試験機)と呼ばれる。 アンバランスは回転体から余計な振動だけでなく騒音も発生さるので、製品の性能向上だけでなく環境への配慮に役立っている計測ツールである。回転部品は加工精度を向上するとともに小型・軽量化も進め、かつ高出力(高容量)を確保するために、高速化している。バランシングマシンも時代の要請に応えて改良が行われている。 メーカは国際計測器株式会社が有名だが、島津製作所もラインアップがある。フィールドバランサのトップベンダのシグマ電子工業もラインアップを増やしている。計測器輸入商社で温度や圧力の校正機器を販売している三協インタナショナルも取り扱いがある。

反射率(はんしゃりつ)

非接触温度計(放射温度計、サーモグラフィー)の用語としては、「物体から反射された放射エネルギーと物体に入射する放射エネルギーとの比(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)」。

反射率補正(はんしゃりつほせい)

非接触温度計(サーモグラフィ、放射温度計)の用語。放射率が1以下の物体でも正しく温度表示するために行われる補正のこと。一般に増幅器の利得をあげることにより放射率補正を行うが、補正に先立ち環境放射の反射成分が無視できない場合は環境温度補正を行う場合がある。関連用語:放射率、環境温度補正。(日本アビオニクス株式会社の「赤外線や工業計測器に関する用語」より)

ハンドポンプ(はんどぽんぷ)

手動で圧力を発生するポンプ。(=圧力発生ハンドポンプ)

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