市場動向詳細

お客さまに使いこなしていただくために! サービスに注力するキーサイト・テクノロジーがトレーニングを語る

これからは、サービスで伸ばしていく


Q:全般的に受講されるのはどのような技術者の方が多いですか?
職種で言うとR&Dの方が圧倒的に多く、計測器を使われるQAの方もいらっしゃいます。製造部門の方には、私たちはどちらからというとお客さまが必要としている環境をソリューションとして提供するというアプローチなので、セミナーやトレーニングを受けていただくことは稀です。

コースで言うと、マイクロ波はR&D、設計・開発の方ですが、自動計測などは職種を問わず来られます。最近、担当のお仕事が変わったことをきっかけに受講される方も多くいらっしゃいます。“今まではデジタルしかやっていなかったが、RF・アナログの仕事に移ったので、基礎的なことを勉強し直さないと間に合わない”とマイクロ波のコースをいくつも受けられた方がいらっしゃいます。

デジタル回路では高速化が著しく、これまであまり考慮しなくてすんでいた信号伝送路の高周波的な振る舞いを無視出来なくなってきています。一昔前の高周波・ミリ波の技術者だけが持っていた知識が今や全エンジニアにとって必須となってきたことが、ミリ波のコースを受ける方が増えている背景だと思います。


Q:受講者はどのような目的で来られますか?
皆さんの目的は明快です。自動計測の仕組みを理解したい。仕事が変わったので新しいスキルを身につけなくてはならなくなった。測定器を使ってはいるが、正しい使用方法かどうか自信がないのでもっと正確に理解してスキルアップしたい。基礎知識を高めたいなど。そのコースの趣旨をご理解して受講されます。

クラスルームで開催している定型の基礎コースは、教室での複数名のトレーニングなので、お客さま特有の問題解決に対する需要にはあまりお答えしていません。お困り事の解決策を求めて受講される方はほとんどいらっしゃいません。課題解決よりスキルアップが目的です。もし、課題解決のご要望があれば、お客さまへ出向き、コンサルティングで解決することになります。

多くのお客さまは個別に様々な課題を抱えておられると思いますが、当社のトレーニングやセミナーは、それを個別に解決するのには馴染みません。イベントでやる集合型のセミナーも、参加者の多くは情報収集が主な目的と思われます。


Q:コースの内容改善や追加などはどのようにしているのでしょうか?
コース内容の改善は常に行われています。そのソースは、1.トレーニング受講者のアンケートやトレーニングの中での講師と受講者とのやりとり。2.テクノロジーや製品の更新を反映させる。3.当社コンタクトセンターへの問い合わせの分析結果。4.スタートアップトレーニング(当社製品をご購入いただいた時に実施するオンサイトトレーニングで、基本的な操作方法から、お客さまの実際の使用目的に即した使用方法までを説明しています。)を通じて得られた事例などによります。

また新規コースは、上記のほか、直接お客様のご要望を耳にする営業やアプリケーションエンジニアの声も参考にします。例えば、オシロスコープの自動計測のコースがあります。オシロで自動計測と聞くと、“そんなことするのかな?”と疑問に思われるでしょうが、実はスタートアップトレーニングで、その事例が多かったのです。

オシロは現象を見て、結果から測定条件などを変えて、また測定し直してという測定器ですから、同じ定型の測定をずっとするような自動計測は馴染まないと思います。それでもある範囲で自動計測したら楽になる、効率があがるというお客様の事例があり、このコースが作られました。

コースは増えるだけでなく、ニーズが小さくなったコースは廃止しています。


Q:最後に今後の御社の展望をお聞かせください
10年位前には、当社において、セミナー・トレーニングは今よりもっと大きなビジネスでした。ひとつのテーマでセミナーや有料トレーニングをパッケージにして1週間位やったことがあります。お客さまがご自身で必要だと思うコースを選択していただけるような、テーマを持ったイベントです。そういうものをいくつか計画できたら、より多くのお客さまに多くの価値を提供できると考えています。いくつか具体的なものが計画途上にあります。はやく皆様にご案内したいと努力中です。

キーサイトは、ワールドワイドの方針のひとつに「サービスで伸ばしていく」というのがあります。サービスの中には“トレーニング”も位置付けられています。世界全体を見て推進する部署もあるので、今後世界共通のコースが増えるだろうと思います。それを日本でやるかどうかは取捨選択ですが、形態もクラスルームだけでなく、オンラインセミナーの配信も増えるでしょう。近い将来にもっとコースの数も増えて充実していく方向です。
ーーーーーーーーーーおわり


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