市場動向詳細

お客さまに使いこなしていただくために! サービスに注力するキーサイト・テクノロジーがトレーニングを語る

市場トレンドへの対応は、広帯域通信にウェートを置く


Q:最近では市場のどういったトレンドを背景としたコースを企画されていますか?
7月にKeysight World(キーサイトワールド)という参加費無料のイベントを東京で開催しました。ここではソリューション展示やミニセミナーがあり、実機を使った体験セミナーなど、1テーマが15分~60分ですが、今の市場トレンドに合わせたセミナーを2日間で100種類ほど提供しました。クラスルームやオンサイトでカバーできない部分はこのようなイベントでカバーしています。

現在 市場でご要望が多いのは、5Gや、IEEE802.11xxという無線LANや有線では光通信です。これらのベースは広帯域の通信です。媒体としてミリ波や光ファイバーがありますが、それらをベースに持っているようなアプリケーションはブームになっていると感じます。これらについては、テクニカルなトレーニングや規格の動向から測定技術、実際の測定器の使い方までをパッケージにしたセミナーを企画しています。通信機器の設計・開発に携わる方を対象に、「5Gサミット」 といったイベントを秋葉原で4月に開催しましたが、有力なキャリアの方をお招きして市場動向を講演いただいた後は、当社エンジニアの無料技術セミナーが5つ続く一日でした。

自動車も活況な市場ですが、範囲が広範です。ほぼ全てのアプリケーションが自動車に乗っかっていると言っても過言ではないでしょう。広帯域無線から電池、デバイス、高電圧まで各種のテーマがあります。自動車は広くてぼやけてしまうのでテーマを絞って実施することが多いです。 これら市場トレンドに対応したセミナーは、当社のマーケティングが企画します。トレーニングを担当している私たちエンジニアリング部門のメンバーが講師などで協力します。


Q:自動計測がテーマのコースはいかがでしょうか?
昔から根強くニーズがあるのが自動計測です。Excelを使った自動計測入門コースからVEE計測制御まで6コースを用意しています。クラスルームとしては一番頻繁に開催している分野です。自動計測と言うと、ラックに組んだシステムを想像されるかもしれませんが、それは高度にシステム化されたものでソリューションという位置付けで考えています。ここで言う自動計測とは、お客さまが計測の効率を上げるために自身で作成するものです。R&Dの技術者の方は、自身が手動で測定器を操作して計測しますが、収集したデータをレポートにするのは非常に大変ですね。レポート作成は、技術者にとって優先順位の高い作業とはいえません。測定やデータ解析のほうが重要です。自動計測を活用すればもっと効率アップできます。当社としても測定器を使いこなしていただく範疇の重要なテーマです。

技術者個人でも部署としても“○○を開発する”というテーマに高い優先度を置くわけですから、それに比べると自動計測の知識習得というのは後回しになります。重要ですが緊急度は低いという典型例です。ニーズがなかなか顕在化してこないのですが、潜在的には相当大きなものがあるだろうし、お客さまの業務を変える大きな可能性を秘めていると思います。そのために、トレーニングコースはもちろん、テクニカルコンタクトセンターでは無料でダウンロードできるサンプルプログラムや自動計測に特化したアプリケーションノートを充実させています。

古い話しで恐縮ですが、私が入社した頃は、PCもまだ今のように普及していませんでしたし、その当時のPCは、工業計測用には信頼性・品質面で使用に耐えませんでした。そのため計測器メーカは、自らがコントローラと称して自動計測用のコンピュータを作らなければいけませんでした。ところが、現在では安価なPCで十分に計測器の制御ができる時代になりました。計測器のインターフェースも、据え置き型のモデルではLANやUSBが標準になり、PCでの測定データ収集は簡便にできます。実験室で「計測器とコンピュータをGP-IBで繋いでコマンドが間違っていてデータ通信がうまくいかず、測定が夜中になった」というような話は過去のものとなりました。

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