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- GEセンシング(じーいーせんしんぐ)
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(GE sensing)正式社名:GEセンシング・ジャパン株式会社。圧力計(マノメータや圧力キャリブレータなど)のDruck(ドラック)社と流量計のPanametrics(パナメトリックス)社がGE(米国の総合電機メーカであるゼネラル・エレクトリック)社のセンシング部門に2002年に買収され、その日本法人の名称。Druckの日本法人であるドラックジャパン株式会社とPanametricsの日本法人である日本パナメトリクス株式会社の販売員がほとんどGEセンシング・ジャパンに移籍した。2002年から2017年に存在した。2017年にGEの事業再編で、GEの資本から離れ、2つの計測器はBaker Hughes社になり、現在は日本ベーカー・ヒューズ株式会社である。DruckとPanametricsは2つとも計測器の老舗ブランドだが、GEセンシングの時代はDruckやPanametricsというブランドの使用を禁止し、GEを前面に出していた。Baker Hughesになってからは元のブランドを復活している。DruckとPanametricsは別の組織で、各人の名刺にはそのロゴが印刷されている(2022年現在)。正確には、2017年から2021年頃まではGEセンシング&インスペクション・テクノロジー株式会社で(Baker HughesとDruck/Panametricsの両方のロゴを併記していて)、2021年頃に日本ベーカー・ヒューズ株式会社に社名変更している(2017年にBaker Hughesになったが、日本での会社名は2021年頃まではGEセンシングという社名が続いた)。 GEセンシング・ジャパンの本社は東京都武蔵野市(吉祥寺)にあり、Druck部門は「プレッシャー・プロダクト(つまり圧力計)営業部」で、全国の原子力発電所(原発)を主な顧客にしていた。Panametricsは「フロー&ガス・モイスチャー営業部」といった。中央区月島にテクニカルセンターがあり、流量計や分析機器の校正を行った。Baker Hughesになってからはドラック事業本部、パナメトリクス事業本部である。 GEには工業用内視鏡(ファイバースコープ)や超音波探傷機器もあり、2002年にGEインフラストラクチャー・ジャパン株式会社となっていたが、それらすべてがBaker Hughesに引き継がれた。2017年にGEセンシング・ジャパンと統合して、GEセンシング&インスペクション・テクノロジー株式会社となり、(前述のように2021年頃に)日本ベーカー・ヒューズ株式会社になっている。非破壊検査機器(内視鏡など)は2020年頃にWaygate Technologies(ウェイゲート・テクノロジーズ)という新ブランドを創設した。Baker Hughesの製品群にはタービンもあり、機械設備の状態監視(振動測定など)を行うBently Nevada(ベントリーネバダ)も(発電所の振動計測で実績が高い)計測ツールの1つである(原発にタービンや発電機などを納品する三菱重工、日立製作所、東芝はベントリーネバダの振動計測器を設備として保有している)。Baker Hughesの非破壊検査機器は複数のプロダクト(複数社の製品群)があるためDruckやPanametricsのように既知のブランドではなく、新しいブランドが必要だったと推測される。 まとめると、Baker Hughesは複数の異なる製品群を持っていて、日本法人は日本ベーカー・ヒューズ株式会社になる。ただし3つのブランドDruck、Panametrics、Waygate Technologiesを前面に押し出していて、そのロゴを名刺に印刷し、3つのブランドの製品を掲載しているHPは全く別に3つ存在している。 Druck製品は丸文株式会社が販売店をしていているなど、Baker Hughesの計測器の直販比率は高くはない(外資はどこもそうなる)。原発では計測器としての圧力校正器や圧力計を多く使用するが、Druckと横河計測(当時は圧力計などの現場測定器は横河メータ&インスツルメンツ株式会社)が競っていた。3番手が露点計で有名なMichell Instruments社(日本にはミッシェルジャパン株式会社がある)。2011年の東日本大震災以降、多くの原発が稼働していないので、圧力計各社は別の顧客を模索している。
- 実体顕微鏡(じったいけんびきょう)
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(stereo microscope) 光学顕微鏡 (観察対象を対物レンズと接眼レンズで拡大して観察する顕微鏡)の1種で、生物学の分野で最も広く使用される科学機器。光学顕微鏡は一般に「人が両目でのぞき込む構造」をしている(※)。 実体顕微鏡は、左右の眼が別々の視界を持つため、肉眼で見ているのと同じく立体視できる。小中学校の理科の時間にプランクトンや植物細胞などを観察した顕微鏡は、正確には「生物顕微鏡」と呼ばれるもので、双眼式のものもあるが、1つの視界の光路を2つに分けただけなので、立体的には見えない(「生物顕微鏡は光学顕微鏡の一種で、主に細胞やその切片の観察に使用される顕微鏡」と説明されるので、実体顕微鏡との違いがわかりにくい)。 倍率は、実体顕微鏡は数倍~約50倍(比較的低倍率)で対象物を両目で立体視できる。生体顕微鏡も比較的低倍率(数10倍程度)で、試料をそのままの状態で観察する。2者は倍率ではほぼ差がないが、「実体顕微鏡は超高性能な虫眼鏡」と解説しているメーカもある。 (※)人がのぞき込まずモニタに画像を映す顕微鏡を、日本では「マイクロスコープやデジタルマイクロスコープ(またはメーカによってはモニタースコープ)」と呼ぶ。また、電子顕微鏡は品名が単に「顕微鏡」の場合が多く、外観を見ないと顕微鏡(いわゆる理科の実験で使う光学顕微鏡)と混同されやすい。まったく顕微鏡は素人には理解しにくい(全体を俯瞰して頭に入れることが困難な)、ニッチな(わかる人にしかわからない)製品群である。 メーカは以下のように大手メーカから輸入商社まで多数。 光学機器のカメラメーカ、たとえばLica Microsystems(ライカマイクロシステムズ)やニコンが有名(※)。またEvident(エビデント、旧オリンパスのライフサイエンス事業)、シグマ光機などの光学・視覚機器メーカもつくっている。マイクロスコープも顕微鏡と同類の、いわゆる「光学・視覚測定器」であるから、キーエンスやハイロックスなどが「実体顕微鏡とマイクロスコープの違い」というタイトルで盛んに自社製品をPRしている(2社は顕微鏡ではなくマイクロスコープのメーカ)。実体顕微鏡は、ホーザンやアスワンなどの理化学機器メーカも販売している(ネット販売など)。科学機器の範疇でもあるので、科学・医療分野のアズサイエンス(株)もネット検索で出てくる。誠博堂は「小学生から研究者まで使える生物顕微鏡、実体顕微鏡、デジタルマイクロスコープ」をキャッチフレーズにした顕微鏡専門の販売サイトを開設している。レイマー(旧アーチ・カンパニー)は顕微鏡をはじめとする光学・測定・医療機器の輸入商社(本社:大阪)である。(株)松電舎は「視る」をコンセプトに光学機器(マイクロスコープ、顕微鏡、マシンビジョンカメラなど)を企画・製造・販売している(本社:大阪。2004年に大阪市中小企業支援センターの創業支援プログラムを受けて設立)。 各社の製品名称は決して統一されていないので、実体顕微鏡か、生体顕微鏡かは良く確認する必要がある(品名などの名称で判断することは難しい)。 (※) Lica(ライカ)は世界的なフィルムカメラのメーカ、国産のNicon(ニコン、旧社名:日本光学工業株)はキヤノンと並ぶカメラメーカ。 stereo(ステレオ)は、一般には音響の用語として知られている。音源を二つ以上の独立したチャンネルから再生することにより、音の方向性や深みを表現する手法(音響技術)である。本来、stereoは「固体」や「立体」を意味する。実体顕微鏡がstereo microscope(ステレオ 顕微鏡)なのは、「立体(3次元、3D)で見える顕微鏡」ということである。これを日本語の「実体顕微鏡」という熟語にしたが、「実体の顕微鏡、実体がわかる」とは一体どういうことか?初心者にはさっぱりわからない。「三次元顕微鏡」や「立体顕微鏡」、またはそのまま「ステレオ顕微鏡」と翻訳してくれたほうがわかりやすかったと筆者は思うが、顕微鏡業界(メーカとユーザ)には「実体」が一番適切なネーミングだったと推察される。「それまでの顕微鏡は2次元で、立体(3次元)で対象物を観察できないので、実体がわからなかった。生物学の分野では待望の“実体がわかる顕微鏡”が開発された」、かどうかはわからないが、そのような「顕微鏡の歴史」を知らない素人には、実体顕微鏡とは「何が実体なのか?」まったくわからない、専門的(オタク)な命名である。顕微鏡も電気計測器と同じ「ニッチな顕微鏡村」(その分野の知識がある人だけの狭い世界)である。 2現象オシロスコープとブラウン管オシロスコープの違いは、オシロスコープの歴史を知らないと説明できない。電気計測器のもっともポピュラーなオシロスコープでさえ、とてもニッチ(オタク)な製品である。
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