2023/05/30
ETCに関する技術を紹介します。最初に導入の背景や普及状況を解説します。その後に、システム構成や個々の技術を概説します。ETCシステムがDSRC(狭帯域通信)で情報を授受する仕組みや、車載器の構成などを示します。さらに、今後、普及すると見込まれるETC2.0やETCに関連した情報を紹介します。ETC2.0車両運行管理支援サービスなどのTEC2.0で追加されたサービス、圏央道の料金割引、ビッグデータの活用などを説明します。ITSスポットやETC2022年問題(スプリアス対応)、ETC2030年問題などにも触れます。最後にETCの技術に関連した計測器を紹介します。
2023/04/28
「モータ(motor)」は一般的には電気モータのことを「motor」と捉えられますが、電気や燃料をエネルギ源として、回転運動や往復運動に変換する機構の総称です。端的に言えば、「原動機」となります。オートバイや自動車は動力源として内燃機関が使用されるので、例えば「motor race」のことを「自動車レース」と訳されます。近年の自動車では多くのモータが使用されています。また、カーボンニュートラルに対応するため、電動化が進展しつつあり使用されるモータは増加の一途です。一般的な内燃機関の熱効率は40%前後ですが、モータの効率は80%を超えます。各所の情報によると車両一台当たり100個以上のモータが使用される例もあります。本稿では「電気モータ」に絞った情報を紹介します。
2023/03/27
「道路」とは人や車両が行き来するために設けられた地上の通路です。単なる人と物の移動にとどまらず、社会・経済・生活・文化の発展に寄与した交通のネットワークと言えます。近年の道路に関係するキーワードの「自動運転」、「CASE1」、「MaaS2」を見聞きすることが多いと思います。いずれの分野でも「道路」が規範となっています。本稿では道路の歴史、道路に関する法令を概説します。また、道路の構成や延長距離、利用状況を紹介します。日本で一番長い国道や、道路の管理者と費用負担を示します。その後に、舗装道路の構造や工事用車両について述べます。道路に関する技術動向として、建設機械の脱炭素化や遮熱性舗装、トンネル内照明のLED化などを解説します。最後に道路の技術に関連した計測器を紹介します。
2023/02/27
物を「くっつける技術」は身の回りの多種多様な製品に適用されています。「くっつける技術」を「接合技術」としてまとめると、大きく3つの手法に分類できます。先ず、「ボルト」や「リベット」などによる「機械的な締結による接合」、次に、なじみのあるスポット溶接など、金属材料の特性を生かした溶接「冶金的な接合」、3つ目は接着剤などを使用する「接着剤接合」となります。自動車においても、上記の接合手法は部品単品の製造のみならず、組み立てまで多くの箇所で適用されています。本稿では「接合技術」の中で、特に金属材料を接合する「冶金的結合」を中心に解説します。先ず、各種結合の比較を行います。次に、溶接の歴史を概説し、その後に、溶接技術の概要や接合の原理を解説します。あわせて、主要な溶接技術を紹介します。融接技術として「アーク溶接」、「電子ビーム溶接」、「レーザー溶接」、「スポット溶接」など、圧接技術として「アプセット溶接」、「熱圧着」、「摩擦攪拌溶接」などを紹介します。最後に溶接技術に関連した計測器を紹介します。
2023/01/31
鉄道はモータリゼーションの多様化にともなって、局所的には事業環境が厳しくなっています。この傾向は日本だけでなく、世界各地でも散見されます。しかしながら、鉄道の本質的な特徴である大量輸送、高速性、安全性、カーボンニュートラル対応などは他の交通手段に比べ優れています。今後も鉄道に期待されることは都市部における公共交通機関としての機能や長距離間の貨物輸送力です。一方で、鉄道を趣味とされている方が多数います。本稿では鉄道の黎明期における歴史を紹介します。その後、鉄道に関する固有の技術や鉄道のエレクトロニクス化について解説します。具体的な技術としては、軌間、車両の構成や番号、電動機などを説明します。台車、駆動装置、き電、勾配には特長があります。エレクトロニクスでは、リニアモーターカーや安全システムを述べます。安全システムにはATS、ATC、ATO、TASC、CBTCなどの仕組みがあります。最後に鉄道に関連した計測器を紹介します。