2023/06/30
この記事は、2020年11月に公開した「車載ネットワークの歴史と規格概要~CANからLIN、FlexRay、CAN FDまで」を改版したものです。
今や、車両に搭載されているほとんどのECUに通信手段が搭載されています。2輪車でも中型大型車で採用が進んでいます。本稿では通信手段の中でも、日本や欧米で生産されている車両のほとんどに適用されている通信プロトコルCANを主に、導入されてきた経緯や現状について概説します。
始めに車両内ネットワークが導入された背景や歴史を述べてから、CAN規格の概要を説明します。CAN以外にLIN、FlexRay、CAN FDという現在導入されている主要な規格が生まれた理由や、特長、使用されるアプリケーションなども解説します。最後に今後の規格の動向と、評価用測定器の代表例を紹介します。
2021/06/28
自動車には数多くのECUが搭載されています。高級車では百個以上と言われています。各ECUに入出力されるセンサやアクチュエータも多くあり、今後も増え続けると推測されます。これらの入出力信号を処理するECUでは、色々なインタフェースで接続されます。ECUが導入された当初はオンオフの簡単な信号や電圧等のアナログ信号でしたが、搭載される機能や技術の進化に合わせて、信号の形式や速度が拡大してきました。
本稿では、車両システム全体を俯瞰し、各種センサからの信号をECUで処理するためのインタフェースについて概説します。インタフェースは信号の種類によって、オンオフ、アナログ、シリアル通信があります。特にシリアル通信についてはCAN、LINから最近のPSI5まで解説します。ECU内部で使われるSPIやI2C、情報系のLVDSも説明します。最後に車両システムの開発で使用される計測器の一例を紹介します。
2021/02/17
近年、車両システムの高度化に伴い、自動車に搭載されるECUの数は増加の一途です。高級車種では100個以上のECUが搭載されているようです。昨今の自動車には、安全性や利便性向上のために様々な機能が追加されるようになり、ECUのソフトウェア開発規模や複雑さが増大し、また多くの機能を一社で開発することは難しくなってきました。そのため、開発期間やコストの抑制、品質の安定化が急務となっていました。
このような背景から欧州において自動車のソフトウェアを標準化するAUTOSARが設立され活動が始まりました。本稿ではAUTOSARの歴史や利点、体系などを概説します。特に仕様(クラシックプラットフォームやアダプティブプラットフォームの基本的な考え方)についてはわかり易い言葉を選んで説明しました。最後に日本の動向を述べ、関連製品(ソフトウェアツール)を紹介します。
2018/02/23
TechEyesOnline取材班(TEO)は、昨年11月29日(木)~30日(金)に東京ビックサイトで開催された「SCF 2017/計測展2017 TOKYO」を取材しました。計測器業界における大きな展示会はいくつかありますが、なかでも国内最大規模の展示会が計測展です。今年は、「オートメーションと計測の先端技術総合展~IoTで未来を拓くものづくり新時代~」をコンセプトに、制御系の「SCF2017」と計測系の「計測展2017」の合同開催となりました。本編では、計測器メーカ5社とIoT関連の協会を取材したものを、Part1・Part2に分けてご紹介します。
2018/01/19
TechEyesOnline取材班(TEO)は、2017年10月27日(金)に新横浜国際ホテル マナーハウスで開催されたMywayプラス株式会社主催のPSIM(※ピーシム)ユーザ会の展示ブースを取材しました。以下の4社の展示内容を、Part1・Part2に分けてご紹介します。
※PSIM:Mywayプラス社がパワエレやモータ制御のために開発した回路シミュレータ。ソフトウェアの累計ダウンロードは数千件で、全国のパワエレ設計者が使う標準の回路シミュレータといえる。