2025/03/25
ガラスは身近な素材ですが、5000年以上前から知られていた素材です。身近な自動車の窓に使われているガラスをどのように意識していますか?外の景色を見る時のフレームであったり、風雨をさえぎる境目であったりします。防音効果もあるでしょう。材料のガラスは固体として扱われていますが、液体のような特性も持っています。ガラスの構造を表現すると「非結晶固体(アモルファス)」となります。ガラスの対極的な材料として合成樹脂はありますが、透明性、耐久性などの特性において、ガラス方が優れていると評価されています。初期の自動車からフロントシールドとして採用されています。本稿ではガラス全般について紹介します。まず、ガラスの歴史、市場規模などを述べます。板ガラス、強化ガラス、合わせガラスの統計データを紹介します。次にガラスの特性、種類、製法を解説します。ソーダ石灰ガラスや鉛ガラスなどの種類別に、原料や特徴を表にまとめました。ローマ時代に生まれた製法の吹きガラス法から順番に、コアガラス法、クラウン法、シリンダ法、フルコール法、コルバーン法、フロート法、ロールアウト法などを図解します。業界の課題や、自動車用に求められる新たな対応にも触れます。最後にガラスに関連した計測器を紹介します。
2025/03/04
【この記事は2024年5月7日に公開した「バイクの技術 ~風を楽しむモビリティ ~」を改版しています。主な改版事項は、販売統計・事故統計のデータ更新およびクラッチに関連する新技術です。】本稿では、まずバイクの歴史、市場規模などを述べます。次に基本構造、主要な技術、エレクトロニクスシステムを概説します。原付バイクの排ガス規制に伴う排気量対応(新原付バイク)、特定小型原動機付自転車の概要や電動キックボード、モペット、クラッチの新技術(Honda E-Clutch®、ヤマハ Y-AMT®、BMW ASA:Automated Shift Assistant)などの最新情報を述べます。バイクの種類や、クラッチ、トランスミッション、サスペンションなどの各部位を図解します。フレームの構造、ヘルメット関連の法規、最近普及し始めた電動のバイクなどに触れます。最後にバイク開発で使用される計測器を紹介します。今まで主に4輪車で解説してきた連載記事とのリンクもつけました。
2025/01/31
「課題解決」のキーワードから何を連想するでしょうか。まさに今抱えている問題への対応について思いを巡らすでしょうか。それとも、将来に発生するかもしれない事象を想像するでしょうか。何れの課題への対応は「なぜ」と思う疑問から始まると言っても過言でないでしょう。本稿では、「なぜ」と「課題解決」とにフォーカスし、関連する各種の手法について概説します。先ず、人類がこれまでたどってきた主な行動を文化や技術の進化に沿った「課題解決」の歴史を紹介します。その後に、主な課題解決に関連する手法が導入された背景や概要について解説します。最後に、課題解決に関連した計測器の例を示します。
2024/12/26
公益財団法人 交通事故総合分析センタが公表している統計データによると、交通事故の発生件数や負傷者数は平成16年以降減少傾向にあるものの、死者数については下げ止まり感があります。また、状態別死者数の推移は、安全システムの搭載が進んでいるので、自動車乗車中は改善されつつありますが、いわゆる交通弱者に分類される歩行者や自転車、二輪車の割合が7割近くを占めています。自動車は各種の法規に準拠して設計され認証を受けた後に販売されていますが、より安心・安全な自動車開発の促進を目的にした自動車アセスメントが実施され、法規以上の安心・安全な自動車の普及が進んできました。本稿では、まず自動車の安心・安全を評価する自動車アセスメントが導入された背景や評価方法を概説します。次に、日本の自動車アセスメントの評価項目や方法などを図表で示し、自動車の安心・安全を向上させる機能について説明します。最後に関連する計測器を紹介します。
2024/11/29
歯車とは「JIS B0120-1歯車用語」によると「歯を順次かみ合わせることによって、運動を他に伝える、又は運動を他から受け取るように設計された歯を設けた部品」です。歯車は自動車で多く使われ、エンジンやトランスミッション等の型式により歯車の個数は異なりますが、数十から100個近くになるようです。本稿では先ず、歯車の歴史と種類を解説します。平行軸の歯車として、平歯車、はすば歯車、やまば歯車、内歯車、ラック&ピオニオン、非円形歯車、交差軸の歯車として、すぐばかさ歯車(ストレートベベルギヤ)、曲がりばかさ歯車(スパイラルベベルギヤ)、食い違い軸の歯車として、ウォームギヤ、ハイポイントギヤ、ねじ歯車(スパイラルギヤ)、の構造を説明します。その後に、主要な材料の製法について、創生法と成形法、ホブなどについて述べます。歯先や歯面などの歯車各部の名称や、インボリュート曲線、サイクロイド曲線、バックラッシュなどの歯車理論を概説し、自動車各部への歯車の適用事例を紹介します。最後に歯車に関連した計測器の例を示します。