市場動向詳細

市場動向レポート 「受変電・配電設備の保全と計測器の活用」2016年3月号 TechEyes Vol.16

注 : 本記事は、TechEyes 2016年3月号にて発刊された内容をそのまま掲載しておりますので、現在とは異なっている場合があります。

日本の電力インフラは10社の電力会社の電力系統からなり、工場やオフィス・家庭などに電力が供給されています。電力系統は、発電・送電・変電・配電の各設備で構成され、安定した電力を需要家へ届けられるよう、日々運用されています。電力の安定供給は、需要家にとって死活問題といっても過言ではありません。2011年3月11日の東日本大震災以来、電力の需給が逼迫したため、老朽化した火力発電所を復帰させるなどで、設備の保全に注目が集まっています。今号では、受変電・配電設備を中心に電気設備の保全技術と現場で使用されている計測器について触れます。

電力系統

「電力系統」という言葉から、私たちは送電網を連想しがちですが、先にも書いたように発電・送電・変電・配電(最近では、これに蓄電も含めるようです)システム全体を指しています。

発電所で作られた電気は、送配電線を通じて工場やオフィス・家庭など需要家のもとに届けられます(図1)。大規模工場やオフィスビルなど電気をたくさん使う需要家には、一次変電所から工場・ビル内の変電所設備に66,000V~154,000Vが直接送られます。一方、中規模の工場・ビルには配電用変電所から6,600Vが配電され、私たち一般家庭には、柱上トランスで変圧された100V/200Vの電圧が配電されます。

図1. 電力系統の概念図

高圧系統の電力系統図は各電力会社がホームページでも公開していますが、再生可能エネルギーなど発電設備を接続するにあたって、連系する送変電設備の熱容量面での制約が生じ、問題となっています。この容量不足の解消には電力設備の増強が必要で、この費用は 系統に接続しようとしている発電事業者の負担ですから、結局消費者に跳ね返っていきます。

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