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オシロスコープ・ユーザのためのプローブの使いこなし (第5回)

<連載目次>

第1回:「やってはいけない信号の取り出し方」「信号を伝えるということ」

第2回:「基本の10:1パッシブ・プローブを理解する」「要注意!1:1/10:1感度切替えプローブ」「そもそも周波数帯域はどこまで必要か」

第3回:「ちょっと待った!その接続1」「ちょっと待った!その接続2」

第4回:「アクティブ・プローブは理想に近づいたプローブ」「最近多くなった差動信号最近」

第6回:「プローブの性能で重視すべきこと」「そもそもプローブの周波数帯域とは?」「感電覚悟のフローティング測定?」

第7回:「高電圧差動プローブにも盲点が!」「スペックは話半分?注意が必要な電流プローブ」「電気信号が伝わるには時間がかかる」


ある面で理想に近い高電圧パッシブ・プローブ

本来、100:1のパッシブ・プローブは1000V程度の高電圧波形測定に用いるものですが、入力抵抗は大きく入力容量は小さくなります。

写真4. 高電圧パッシブ・プローブ

写真4. 高電圧パッシブ・プローブ

出典:テクトロニクス P5100A

100:1のパッシブ・プローブの原理は回路方式はいくつかありますが、テクトロニクス社のP5100Aの場合、周波数帯域500MHz、入力抵抗40MΩ、入力容量2.5pFと高い入力抵抗、低い入力容量が実現できています。ただし、減衰比は100:1ですのでオシロスコープの電圧感度は10mV/divにて1V/divになります。ロジック信号の観測には問題ないはずです。


リーズナブルな価格の低インピーダンス・プローブ

プローブの理想は「高い入力抵抗、低い入力容量」ですが、高周波回路に限れば、一般的に回路のインピーダンスは高くありません。そのためプローブの入力抵抗は程々あれば良く、入力容量のほうが重要です。低価格で低入力容量を実現したプローブが低インピーダンス・プローブ、別名「Z0プローブ」です。オシロスコープの入力インピーダンスを50Ωに切り替えると反射の無い特性インピーダンス50Ωの伝送線路が形成されます。プローブ先端に450Ωの抵抗を接続すれば減衰比10:1、入力抵抗500Ω、入力容量は僅かな浮遊容量というプローブが実現します。多少信号振幅への影響はありますが、インピーダンスが低い高周波回路限定のプローブとして使用できます。

図34. 低インピーダンス・プローブの原理図

図34. 低インピーダンス・プローブの原理図
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