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オシロスコープ・ユーザのためのプローブの使いこなし (第2回)

<連載目次>

第1回:「やってはいけない信号の取り出し方」「信号を伝えるということ」

第3回:「ちょっと待った!その接続1」「ちょっと待った!その接続2」

第4回:「アクティブ・プローブは理想に近づいたプローブ」「最近多くなった差動信号最近」

第5回:「ある面で理想に近い高電圧パッシブ・プローブ」「リーズナブルな価格の低インピーダンス・プローブ」「アクティブ・プローブは壊れやすい?」

第6回:「プローブの性能で重視すべきこと」「そもそもプローブの周波数帯域とは?」「感電覚悟のフローティング測定?」

第7回:「高電圧差動プローブにも盲点が!」「スペックは話半分?注意が必要な電流プローブ」「電気信号が伝わるには時間がかかる」


基本の10:1パッシブ・プローブを理解する

幾多の数ほどあるプローブですが、まずはオシロスコープに付属される10:1パッシブ・プローブを理解することが大切です。なぜパッシブ・プローブは10:1、信号をわざわざ1/10にしているのでしょうか?それはプローブの理想である、負荷を軽くする、つまり入力抵抗は大きく、入力容量は小さくするためです。

図10. 10:1パッシブ・プローブおよびオシロスコープ入力部の概念図

図10. 10:1パッシブ・プローブおよびオシロスコープ入力部の概念図

信号は図10のように、左からプローブ先端部分、同軸ケーブル、補正ボックス、オシロスコープ入力部へと伝わります。パッシブ・プローブの入力インピーダンスは1MΩとハイインピーダンスで、さらに浮遊容量として10~数10pFが並列になっています。入力コネクタには同軸ケーブルが接続されますが、これが曲者です。同軸ケーブルは構造上、同軸形式のキャパシタになりますので少なからぬ容量を持ちます。50/75Ω系の同軸ケーブルでは1mあたり100pF、プローブに使用されるケーブルでは50pF程度の浮遊容量があります。これがオシロスコープの入力容量に並列に加わりますので、単に同軸ケーブルを接続した場合には大きな容量を持ってしまい、信号に多大な影響を与えてしまい、波形測定どころではありません。容量を劇的に減らすためには、プローブ先端に9MΩの抵抗とキャパシタを接続します。プローブ、同軸ケーブル、オシロスコープの入力容量までをまとめてC2とすると、図11のような簡単な回路になります。

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