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学び情報詳細

2022/08/09

初めて使うデジタルマルチメータ・・・第9回 「導通/ダイオード試験、容量測定」

連載記事一覧
第1回:デジタルマルチメータが届いたら最初にすること
「はじめに」「6.5桁ベンチトップ型のデジタルマルチメータのパネル」「パネルに書かれた警告表示」「テストリード」「電源の投入と日付時刻の設定」
第2回:デジタルマルチメータの基礎知識
「直流電圧を正確に測る歴史」「現在のデジタルマルチメータの構造と機能」「デジタルマルチメータの選定」「【ミニ解説】測定カテゴリーとは」
第3回:直流電圧の測定と仕様の見方
「直流電圧を測定するための結線」「デジタルマルチメータの直流電圧測定の仕様表現」「直流電圧を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「直流測定で発生する誤差要因」「1000Vを越える直流高電圧の測定」「微小な直流電圧の測定」「【ミニ解説】デジタルマルチメータで採用されている安全端子」
第4回:交流電圧の測定と仕様の見方
「交流電圧を測定するための結線」「平均値検波と実効値検波の違い」「交流電圧測定での周波数帯域」「デジタルマルチメータの交流電圧測定の仕様表現」「交流電圧を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「歪んだ波形を測る際の注意点」「750Vrmsを越える交流高電圧の測定」
第5回:抵抗の測定と仕様の見方
「抵抗を測定するための結線」「デジタルマルチメータの抵抗測定の仕様表現」「抵抗を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの2端子測定での抵抗測定の操作手順」「4端子式測定を行う場合の注意事項」「高抵抗を測定する際の注意事項」「【ミニ解説】直流による抵抗測定と交流による抵抗測定」
第6回:直流/交流の電流測定と仕様の見方
「直流電流を測定するための結線」「デジタルマルチメータの直流電流測定の仕様表現」「直流電流を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの3Aレンジ以下の直流電流測定の操作手順」「電流入力端子に実装されている保護用ヒューズの断線を防ぐ」「直流電流測定時の注意事項」「10Aを越える直流電流の測定」「交流電流を測定するための結線」「デジタルマルチメータの交流電流測定の仕様表現」「交流電流を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの3Aレンジ以下の交流電流測定の操作手順」「10Aを越える交流電流の測定」
第7回:周波数測定と仕様の見方
「周波数を測定するための結線」「34461Aで採用されているレシプロカル・カウント方式」「34461Aで設定可能なゲート時間」「34461Aの周波数測定の仕様表現」「周波数/周期を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの周波数/周期測定の操作手順」「【ミニ解説】ユニバーサル・カウンタとの違い」
第8回:温度測定と仕様の見方
「温度を測定するための結線」「【ミニ解説】さまざまな温度センサ」「34461Aの温度測定の仕様表現」「温度を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの温度測定の操作手順」「【ミニ解説】温度測定で使われる多点温度計」
第9回:導通/ダイオード試験、容量測定
「導通/ダイオード試験をするための結線」「34461Aでの導通試験の操作手順」「34461Aでのダイオード試験の操作手順」「コンデンサの容量を測定するための結線」「34461Aの容量測定の仕様表現」「容量を測定するためのデジタルマルチメータの操作」「34461Aでの容量測定での操作手順」「【ミニ解説】正確にコンデンサの容量を測定するときはLCRメータを使う」
第10回:デジタルマルチメータをシステムで使う
「デジタルマルチメータをシステムで使う」「外部トリガ入力と測定完了出力端子」「外部トリガ機能の設定」「34461Aに搭載されている通信インタフェース」「ラックを選定する際の注意点」「測定システムのノイズ対策」
第11回:デジタルマルチメータの周辺アクセサリ
「測定器メーカが用意しているアクセサリ」「DC結合電流プローブ」「30A電流シャント抵抗」「ターミナル・コネクタ」「34401Aから34461Aへの置き換え」
第12回:キーサイトの新しい教育向け汎用測定器
「【インタビュー】キーサイト・テクノロジーが考える教育向け汎用測定器」

導通/ダイオード試験をするための結線

電気工事の現場で使われる多くのハンドヘル型のデジタルマルチメータでは敷設された配線の確認をする際に導通試験の機能が使われる。この機能と同じものをベンチトップ型の34461Aに搭載したものである。結線は抵抗測定と同じである。

ダイオード試験も多くのハンドヘルド型のデジタルマルチメータに搭載されている機能でダイオードの極性を確認するために使われている。

図78. 34461Aでダイオード試験をする場合の結線

図78. 34461Aでダイオード試験をする場合の結線

34461Aでの導通試験の操作手順

34461Aのパネルにある「Cont」キーを押して導通試験の設定画面を表示させる。

ブザー音の有無を設定する「Beeper」のon/offのいずれかとする。

図79. 34461Aでの導通試験をするための画面

図79. 34461Aでの導通試験をするための画面

Beeperがonの状態のときは接続された測定対象の抵抗値によって34461Aは下記のように動作する。

測定された
抵抗値
34461Aの導通試験での動作
≤ 10 Ω 測定された抵抗を表示し、ビープ音を鳴らす(ビープ音が有効になっている場合)
10 Ω~1.2 kΩ ビープ音を鳴らさずに測定された抵抗を表示する
> 1.2 kΩ ビープ音なしで「OPEN」が表示される

表16. 34461Aでの測定された抵抗値による導通試験の動作

34461Aでのダイオード試験の操作手順

34461Aのパネルにある「SHIFT」キーを押してから青字で書かれた「ダイオード記号」キー(「Cont」キーと同じ)を押してダイオード試験の設定画面を表示させる。

図80. 34461Aでのダイオード試験をするための画面

図80. 34461Aでのダイオード試験をするための画面

Beeperがonの状態のときは接続されたダイオード両端の電圧値によって34461Aは下記のように動作する。

測定された
電圧値
34461Aの導通試験での動作
0~5V フロント・パネルに電圧が表示され、信号が0.3~0.8 Vのしきい値に遷移すると測定器のビープ音が鳴る(ビープ音 が有効になっている場合)。
>5V フロント・パネルに「OPEN」が表示され、SCPIで9.9E37が返される。

表17. 34461Aでの測定された電圧値によるダイオード試験の動作

コンデンサの容量を測定するための結線

34461Aはコンデンサ(英語ではCapacitor(キャパシタ))の容量を簡易的に測定できる機能を持っている。34461Aの前のモデルである34401Aではコンデンサの容量を測定する機能はない。また34461Aが発売されたときにはこの機能はまだ搭載されていなかった。

理想的なコンデンサは既知電流を印加したときの充放電の応答を見れば容量を知ることができる。但し劣化した電解コンデンサなどでは等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)が大きいため正確な容量測定はできない。

コンデンサの容量を測定する場合の結線は下図の通りである。

図81. 34461Aでコンデンサの容量を測定する場合の結線

図81. 34461Aでコンデンサの容量を測定する場合の結線

34461Aの容量測定の仕様表現

34461Aの容量測定の仕様は標準コンデンサを基準に定められている。キーサイト・テクノロジーでは校正に利用する標準コンデンサとしてIET LABS社(旧:GenRad社)のSCA標準コンデンサを推奨している。

レンジ 24時間
TCAL±1℃
90日間
TCAL ± 5℃
1年間
TCAL±5℃
2年間
TCAL±5℃
温度係数/℃
1.0000nF 0.50+0.50 0.50+0.50 0.50+0.50 0.50+0.50 0.05+0.05
10.000nF 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.05+0.01
100.00nF 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.05+0.01
1.0000μF 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.05+0.01
10.000μF 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.05+0.01
100.00μF 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.40+0.10 0.05+0.01
注1)確度仕様の表現は±(読み値の%+レンジの%)となっている。
注2)仕様は、K=2のISO/IEC 17025(JIS Q17025)に準拠している。
注3)温度係数はTCAL±5℃から外れる場合、1℃外れるごとにこの値が追加される。

表18. 34461Aでの容量の仕様表現

容量を測定するためのデジタルマルチメータの操作

34461Aでは容量を測定するために設定する項目は下記のように測定レンジのみである。

図82. 34461Aでの容量測定項目の構成

図82. 34461Aでの容量測定項目の構成

34461Aでの容量測定での操作手順

34461Aのパネルにある「SHIFT」キーを押してから青字で書かれた「コンデンサ記号」キー(「Freq」キーと同じ)を押して容量測定の設定画面を表示させる。

図83. 34461Aでの容量を測定するための初期画面

図83. 34461Aでの容量を測定するための初期画面

この画面を左下にある「Range」キーを押してレンジを設定する。通常は「Auto」の設定でよい。

図84. 34461Aでの容量レンジを設定するための画面

図84. 34461Aでの容量レンジを設定するための画面

【ミニ解説】正確にコンデンサの容量を測定するときはLCRメータを使う

デジタルマルチメータでのコンデンサの容量測定は簡易的である。正確にコンデンサの容量を測定するにはLCRメータを使う必要がある。LCRメータは下図に示すように交流信号を測定対象に印加して測定対象に流れる電流と端子間の電圧をベクトル電圧計で測定する仕組みになっている。

図85. LCRメータの測定原理を示す構造図

図85. LCRメータの測定原理を示す構造図

LCRメータで得られる結果は測定対象の等価回路モデルの各パラメータである。コンデンサでは下記に示すような3素子直列モデルが使われることが多い。従って劣化して等価直列抵抗(ESR)が大きくなった電解コンデンサでも正確に測定が可能となる。

図86. LCRメータで得られる3素子直列等価回路のパラメータ

図86. LCRメータで得られる3素子直列等価回路のパラメータ


執筆:横河レンタ・リース株式会社 事業統括本部 魚住 智彦

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