ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第2回) | 技術コラム|TechEyesOnline|計測器専門の情報サイト

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2017/12/07

ファンクションジェネレータの基礎と概要 (第2回)

<連載記事一覧>

第1回:「はじめに」「ファンクションジェネレータの歴史と種類」「DDS方式ファンクションジェネレータの構造」「ファンクションジェネレータ利用でよくある疑問点」「【コラム】よいファンクションジェネレータとは」

第2回:「ファンクションジェネレータの基本機能」「ファンクションジェネレータの拡張機能」「ファンクションジェネレータの周辺機器」「【コラム】国内でファンクションジェネレータを販売する主なメーカの製品一覧表」

第3回:「ファンクションジェネレータの用途」「ファンクションジェネレータの校正」「終りに」「【インタビュー】エヌエフ回路設計ブロックのファンクションジェネレータ事業への取り組み」(12月下旬頃公開予定)

ファンクションジェネレータの基本機能

ファンクションジェネレータはさまざまな波形を連続発生するだけではなく、外部信号によって変調や発生制御を行うことができる。ここではファンクションジェネレータが持つ機能について解説する。

基本波形の連続発振

ファンクションジェネレータには基本波形(正弦波、パルス波、方形波、三角波、ランプ波)を連続して発生する機能がある。

図18. 基本波形

図18. 基本波形

パルス波と方形波の違いは製品によって異なるが、方形波はデューティ比(波形の周期に対するハイレベルの時間の割合)が変化できるのみである。パルス波はデューティ比の加えて、立ち上がり時間や立ち下り時間を可変できるようになっている。三角波とのこぎり波はシンメトリ設定の違いであるため、製品によってはランプ波という表現で統一されている場合がある。図18で示す三角波はシンメトリが50%の状態のランプ波である。

バースト発振機能

トリガやゲート信号によって波形に発生を制御する機能をバースト発振機能という。機種によっては取扱説明書でトリガ発振とゲート発振が個別に解説してある場合がある。 製品の種類によって多少動作が異なるため、ここではエヌエフ回路設計ブロックのWF1973/WF1974を例にとって説明する。

トリガバースト発振

トリガ信号を受けるたびに、設定された遅延時間後に、設定された開始位相から設定された波数の波形を発生させる。

図19. バースト発振の例

図19. バースト発振の例

トリガバースト発振

トリガ信号を受けるたびに、設定された遅延時間後に、設定された開始位相から設定された波数の波形を発生させる。

図20. トリガバースト発振の例

図20. トリガバースト発振の例

ゲート発振

ゲート信号がオンになってから、整数周期または半周期単位の発振を行う。発振開始位相および発振停止の波数単位はあらかじめ設定する。図21の例では発振開始/停止位相は30度、発振停止単位は1周期となっている。

図21. ゲート発振の例

図21. ゲート発振の例

トリガゲート発振

トリガを受けるたびにゲートのオン、オフを行う発振である。図22の例は発振開始/停止位相は30度、発振停止単位は1周期となっている。

図22. トリガゲート発振の例

図22. トリガゲート発振の例

スイープ機能

スイープとは波形パラメータを設定した範囲を設定した時間の間に変化させる機能である。スイープできる波形パラメータは機種によって異なるが、ここではエヌエフ回路設計ブロックのWF1973/WF1974を例に説明する。

  • 周波数
  • 位相
  • 振幅
  • DCオフセット
  • 方形波デューティ比

図23. さまざまなスイープの事例

図23. さまざまなスイープの事例

提供:エヌエフ回路設計ブロック


また、スープの形状は直線的に変化するリニアスイープと対数的に変化するログスイープが用意されている。

図24. 周波数スイープのリニア動作(左)とログ動作(右)の例

図24. 周波数スイープのリニア動作(左)とログ動作(右)の例

スイープの方向はスープ時間内に設定した初期値から最終値まで変化する片道スープと往復スイープがある。

図25. 片道スイープ(左)と往復スイープ(右)

図25. 片道スイープ(左)と往復スイープ(右)

スイープ動作を1回だけ行って終了させる単発動作と、繰り返し行う連続動作が設定できる。単発動作をさせる場合はマニュアルもしくは外部からのトリガ信号がスタート信号となる。スイープ動作に合わせてスイープ同期信号とスイープXドライブ信号という2つの補助信号が出力され、スイープの開始および終了の時点が判るようになっている。またスイープマーカを設定した場合はマーカ値に達した時が判るようになっている。スイープ機能を使った計測システムを作る場合は有効な機能である。

図26. スイープに同期した補助信号の事例

図26. スイープに同期した補助信号の事例

変調機能

ファンクションジェネレータは発生波形を変調する機能を持っている。エヌエフ回路設計ブロックのWF1973/WF1974では下記の変調機能を持っている。ファンクションジェネレータには変調機能を持つが、多くの製品では変調の性能仕様は規定されていない。このため通信機などの高周波特性の評価を行うには、変調仕様が細かく規定されている標準信号発生器を選ぶのが適切である。

・FM(周波数変調)
出力周波数が変調信号の瞬時値によって変化する
・FK(周波数偏移変調)
出力周波数が変調信号とキャリア周波数とホップ周波数の間をスイッチする
2値の周波数偏移変調
・PM(位相変調)
出力位相が変調信号の瞬時値によって変化
・PK(位相偏移変調)
出力位相が変調信号によってオフセットする2値の位相偏移変調
・AM(振幅変調)
出力振幅が変調信号の瞬時値によって変化 出力振幅が変調信号の瞬時値によって変化
・AM DB-C(搬送波抑圧両側波帯信号変調)
キャリア周波数成分を含まないAM
・DCオフセット変調
DCオフセットが変調信号の瞬時値によって変化
・PWM(パルス幅変調)
方形波、パルスのデューティが変調信号の瞬時値によって変化