2025/06/18
ローデ・シュワルツ・ジャパン(R&S)は昨年に続き2025年4月23日にTechnology Symposiumを開催しました。TechEyesOnline取材班(TEO)はR&S製品を使った協賛企業のソリューション展示を取材しました。信号の高速化で、高性能なプリント基板の製造現場では歩留まりが悪化し、対策が急務です。ヤマハファインテックは67GHz VNAによる次世代ベアボートテスタで、解決に挑戦します。開発中の検査装置について伺います。NIのLabVIEWを使った自動計測が得意なペリテックは、無線機テスタ、搬送ロボット、シールドBOXを組み合わせて、ワイヤレスデバイスの生産ライン自動化を実演します。計測器のシステムアップやアプリケーション開発ができるマックシステムズは、無線計測器を使ったHILS環境を提案します。生産ラインの検査とECU向けのHILS、3社の最新ソリューションを紹介します。
2024/06/20
ローデ・シュワルツ・ジャパン(R&S)は2024年5月16日に東京コンファレンスセンター・品川で、技術セッションと展示会で構成されるTechnology Symposiumを開催しました。TechEyesOnline取材班(TEO)は展示会で3社の新製品を取材しました。昨年末に高速無線LANの規格 Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)が策定され、R&S®CMX500 5G ワンボックス・シグナリング・テスタはインテルのWi-Fi 7モジュールの実測デモを行いました。OFDAM(直交周波数分割多元接続)や4096QAMなど、基地局シミュレータによる測定を紹介します。グラナイトリバーラボは世界に10拠点ある、高速インタフェースのエンジニアリング会社です。車載Ethernetの規格試験をオシロスコープで行います。また、自動車に導入が期待される無線給電Qi 2.0の試験器は、今年3月にWPCで認可された最新モデルです。Thunderboltなどの高速通信やアップルMFi認証で使われるオシロスコープについて、試験機関ならではの話を伺いました。EMC製品を取り揃えるマイクロウェーブファクトリーは、海外の高周波計測器を取り扱うコーンズテクノロジーの「コーンズRFエンジニアリング」グループとなり、国産メーカがつくっていない「ESD(静電気放電)とEMI(電磁放射)の両方を可視化する装置」を昨年発売しました。静電気がプリント基板を伝わる様子や測定事例を紹介します。
2023/11/10
キーサイト・テクノロジーはKeysight World 2023を8月29~31日、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで4年振りの対面開催をしました。TechEyesOnline(TEO)取材班は会場内の展示コーナから3つの最新計測ソリューションを取材。1.「5G/FR2、サブテラヘルツ トラック」から、IoT機器ベンダの開発時期に合わせて今年2月発売の新製品、ローカル5Gの最新規格(リリース17 RedCap)に対応したシグナリングテスタE7515R。2.「高速デジタル、光電融合 トラック」から、IOWNなどで世界の先端企業が進める光半導体(シリコンフォトニクス)の実用化で必要になる光電融合デバイスの測定システム。偏波コントローラなどで光コンポーネント評価に実績のある同社が、光導波路の測定原理から測定系構築までを解説。3.最新の最速BERTによるPAM4/120Gbaudの光送受信モジュールの実演。広帯域オシロスコープを併用した伝送品質評価が用途によってどう行われるか、最先端のBER評価を紹介。
2019/09/11
通信インフラが、現在の4Gから5Gに代わると、何が変わるのか。そのポイントは、5Gが備える3つの要件、「超高速・大容量」、「超低遅延」、「大量端末同時接続」にあります。通信の「超高速・大容量化」は、映像の高精細化と相まって、スポーツ観戦のあり様やゲームの楽しみ方を変えていくでしょう。「超低遅延」の実現は、医療における遠隔手術や、建機による土木作業の遠隔操作を可能にしようとしています。あらゆるものがインターネットにつながるIoTの世界では、「大量端末同時接続」が不可欠の要件です。IoTやロボット、AIや自動運転といったテクノロジーを飛躍的に進化させるインフラ・コア技術が5Gと言って過言ではないでしょう。
今号では、私たちの生活を一変させる革新的な技術5Gに焦点をあて、その技術や市場動向、開発を支える計測器について触れていきます。
2019/02/07
平成の時代も幕を閉じ新しい元号を迎える、2010年代最後の年2019年になりました。筆者が計測器に関わってから約半世紀になります。この間、計測器は産業のマザーツールとして、産業・社会の発展に大きな寄与をしてきました。過去も現在も、製鉄・石油化学など装置産業の計装や、新幹線など社会インフラの整備の現場で、計測器が数多く使用されてきました。工業社会から情報通信社会への大きな時代の変革とともに、使用される計測器も大きく様変わりしました。2000年代の通信バブル期には、広帯域・高速データ通信の伸長とともに、通信測定器が大きな成長をしました。自動車の電動化にともない、自動車産業でも、計測器が多用される時代にもなってきました。
今号では、経済・産業の動向を見ながら、計測器のなかでも電子計測器に焦点をあて、電子計測器の遷り変わりについて触れていきます。10年毎の年代に切っていますが、時代の変化は年代を超えて動いていきますので、区切りは便宜上のものに過ぎません。また、内容に、個人的な経験・記憶に基づく記述と、主観的な取りあげ方、見方が多いこと、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。