2019/02/07
平成の時代も幕を閉じ新しい元号を迎える、2010年代最後の年2019年になりました。筆者が計測器に関わってから約半世紀になります。この間、計測器は産業のマザーツールとして、産業・社会の発展に大きな寄与をしてきました。過去も現在も、製鉄・石油化学など装置産業の計装や、新幹線など社会インフラの整備の現場で、計測器が数多く使用されてきました。工業社会から情報通信社会への大きな時代の変革とともに、使用される計測器も大きく様変わりしました。2000年代の通信バブル期には、広帯域・高速データ通信の伸長とともに、通信測定器が大きな成長をしました。自動車の電動化にともない、自動車産業でも、計測器が多用される時代にもなってきました。
今号では、経済・産業の動向を見ながら、計測器のなかでも電子計測器に焦点をあて、電子計測器の遷り変わりについて触れていきます。10年毎の年代に切っていますが、時代の変化は年代を超えて動いていきますので、区切りは便宜上のものに過ぎません。また、内容に、個人的な経験・記憶に基づく記述と、主観的な取りあげ方、見方が多いこと、ご容赦いただきますようお願い申し上げます。