TechEyes

2018/03/22

市場動向レポート 「測位技術の動向と技術開発用の測定器」2018年4月号 TechEyes Vol.28

測位は文字通り、「位置を測ること」を意味しますが、今では、スマートフォンの地図アプリは、GPS※1測位技術によって得られた位置情報により、正確に案内してくれるようになりました。カーナビの新車装着率(四輪車出荷台数比)は50%を超え、クルマの運転には欠かすことのできない装備です。日本では、2017年10月、4機目となる準天頂衛星みちびきが打ち上げられました。GPS衛星と一体となった衛星測位サービスが2018年から始まり、サブメータ、さらにはセンチメータ級の測位精度の実現を目指しています。一方、GPS電波の受信できない屋内では、Wi-Fiやビーコンをはじめ、様々な技術を使用した屋内測位方法が開発され、実用化されるものもでてきました。今号では、この測位技術を概観し、動向や開発に必要な測定器と応用について触れます。

※1 GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)

衛星測位技術の概要

GPSは、米国が打ち上げたGPS衛星を利用した衛星測位システムのことを指し、一般的には、GNSS(Global Navigation Satellite System)の呼称が使われます。GNSSには、GPSのほかに、欧州のGalileo、ロシアのGLONASS、中国のBeiDouなどが、運用中、もしくは運用予定です。日本のQZSS(Quasi-Zenith Satellites System準天頂衛星システム)もそのひとつです。因みに、GPSについては、現在約30機の衛星が米国の管理の下に運用されています。

衛星測位の原理は、三角測量と同様です。正確な位置の分かっている複数の衛星から発せられる電波を受信し、信号の伝播時間を測定、光速を乗じ、衛星と受信点の距離を計算、三角測量で受信地点のx, y, z座標を求めます。衛星には正確な時刻を刻む原子時計(セシウムやルビジウム)が搭載されていて、正確な送信時刻を電波に乗せて地上に向けて発します。この送信時刻と受信地点での受信時刻データが確定できれば、電波の伝播時間が分かりますので、距離が計算できます。しかし、受信時刻はカーナビやスマートフォンの時計データで衛星の時刻とずれ(誤差)があることから、求められた距離は正しくありません。そのため、求められた距離は、擬似距離と呼ばれています。したがって、この時刻のズレΔtも未知数として扱い、最低4機のGPS衛星の擬似距離をもとに連立方程式から、4つの未知数x, y, z, Δtを求めます(図1)。

図1 GPS衛星測位
図1 GPS衛星測位
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