技術コラム

2017/10/12

世界初 非接触電圧・電流同時測定が可能なテスタが登場! Fluke T6-1000 チョッパー

2017年10月10日、現場測定器に定評のあるフルーク社から、世界初となる非接触電圧・電流の同時測定が可能なハンドヘルド型電気テスタFluke T6-1000が発売された。「安全」と「スピーディー」を両立している特長的な測定器だ。今回は、Fluke T6-1000の製品特長やユーザの課題解決例などを紹介する。

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安全でスピーディーに。電圧測定の常識を覆す世界初のテスタ(チョッパー)

Fluke T6-1000は、フルーク社独自開発の「FieldSense」と呼ばれる技術で世界初の非接触で電圧・電流の同時測定をすることを可能としたハンドヘルド型電気テスタだ。即座に測定することを主眼にしているため測定部分の形状がU字となっているのが特徴だ。このような形のテスタは一般的にフォークテスタと呼ばれている。

チョッパー写真

Fluke T6-1000は、テストリードを使わずに測定対象のケーブルを挟むだけで対地間の電圧測定をすることが可能となっている。1度の動作で電流と電圧が同時測定できるため、測定時間の短縮や配線の簡素化することができ、現場でトラブルが起こったときなどに素早く測定することができる。また、ジョー部(先端部分のU字箇所)は金属が露出しておらずプラスチックで絶縁されているため、人体に危険が及ぶことがない。安全でスピーディーに測定できるのがFluke T6-1000の特長だ。

測定結果は、ディスプレイが緑色に変わることで正確に測定できていることが視覚的に確認することが出来る。通常のディスプレイは白色だが、アースが取れて正確に測定できたときに緑色に変わる。素早く測定できるのが特長であり、正確に測定できていないことがすぐに分かる、というのも重要なポイントだ。

ディスプレイ

FieldSense非接触電圧測定技術

Fluke T6-1000は、製品内部の基準信号(既値の振幅と周波数)と合成された測定対象の信号(未知の振幅と周波数)を電子センサで検出し、目的の電圧値と周波数を得ることができる。基準電圧は、測定器背面にある接点から手を介して測定者の足元から大地へグランド接続されることでアースを取っている。この2つの電位差から電圧測定を可能としている。このため、電圧測定の際に2つテストリードによって測定する必要がなくなり、ジョー部にあてるだけで電圧測定が可能となった。こうして、電圧測定の電界検出と電流測定の磁界検出という異なる回路方式を1台のテスタに搭載することができ、世界初の非接触電圧・電流同時測定が可能となった。

イラスト

FieldSense技術は、絶縁防具を装着していなくても安全に測定ができるのが特徴だが、使用方法には注意も必要だ。絶縁グローブを装着していたり絶縁靴を履いていたりしている場合は、測定器背面の接点を触れていてもアースが取れていない状態になる。この場合は、黒いテストリードを測定盤などのアースに触れて測定する必要がある。

リード線

従来製品との差異点

従来からフルーク社では電気テスタとしてFluke T5-1000と呼ばれる製品を提供してきた。日本国内よりも海外では需要が高く、汎用的な用途だけでなく炭鉱や鉄鋼工場のような過酷な環境下でも使われてきた多くの実績がある。今回発表されたFluke T6-1000はその後継にあたる。従来モデルのFluke T5-1000では電流測定にはジョー部で触って測るが、電圧測定は別の電圧用のテストリードを使って測っていた。そのため電流測定と電圧測定をするためには2動作が必要だった。FlukeT6-1000は、世界初の非接触電圧・電流同時測定が売りだ。測定対象をフォーク部で挟むだけで、電流と電圧をディスプレイに同時に表示される。

製品写真

これまでの問題

現場測定では、技術者は様々な工具類やテスタなどを携帯しながら仕事をすることが多い。テスタを操作する際に片手が塞がっていることも少なくない。また、現場によっては十分な作業空間がなくテスタや配線などの取り回しに制約を受けることもあり、ユーザは不自由で不効率な測定を強いられるケースが多々あったという。電流測定はクランプテスタのような測定器を使って片手で容易に測定することが出来たが、電圧測定の場合はグラウンド点などに測定リードを当てた上で、もう一方の測定リードで電圧測定を測るという方法が一般的だ。測定ケーブルの取り回しに難がある場合や、測定箇所が多い場合には接続回数が多くなってしまうなど測定効率が低くなる問題があった。Fluke T6-1000は、非接触で電圧と電流を同時に測定することができるため、これまでの問題を解決できるテスタとなっている。


顧客からの評価

株式会社TFF フルーク社のマーケティング担当の村井氏によれば、一部の電力会社や大手工事会社ではFluke T6-1000の事前評価をしてもらい、「Fluke T6-1000の精度なら十分であり、簡便に一度で測定できるなら使ってみたい」という声を多く聞くことができたとのこと。村井氏が考えていた以上に感触がよく、確かな手応えを感じていた。電力会社や大手・中堅工事会社からの評価では、「作業員個人が腰から下げて常備していて、いざというときにすばやく測定して威力を発揮する」というような利用シーンを想定されているようだ。

一方で、電気工事事業者の中には測定精度や多機能性を求める場合があるとのこと。Fluke T6-1000は、「即座に測る、素早く測る」がコンセプトであるため、測定精度や多機能性を求める電気工事事業者には、同社のデジタルマルチメータやクランプメータなどを使っていただきたい、と話してくれた。

製品写真

取材に応じてくれたフルーク社 村井 瑛二氏
新製品の特長などを分かり易く説明してくれた。

Fluke T6-1000は世界初の非接触電圧・電流同時測定が可能な電気テスタである。現場技術者の安全面と作業効率の向上に大きく貢献できる測定器であるため、多くの技術者に触れてもらい、ぜひともその利便性を体感してもらいたい。


仕様

測定仕様

測定レンジ

確度

ジョー部
(U時部分)

交流電圧

1000 V

±(3%+3カウント) 45 Hz ~ 66 Hz

交流電流

200.0 A

±(3%+3カウント) 45 Hz ~ 66 Hz

周波数

45 Hz ~ 66 Hz

±(1%+2カウント)

テストリード部

交流電圧

1000 V

±(1.5%+2カウント) 45 Hz ~ 66 Hz

直流電圧

1000 V

±(1%+2カウント)

抵抗

1000 Ω

10.00 kΩ

100.0 KΩ

±(1%+2カウント)

測定カテゴリ

1000 V CAT Ⅲ 600 V CAT Ⅳ

基本仕様

寸法

61.1 mm × 259.3 mm × 43.8 mm

防水・防塵(IP)

IP52

電池(寿命)

単3電池 × 2

(非接触電圧測定で200時間)

最大導体径

17.8 mm



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