技術情報・レポート

2017/10/13

アナライザあれこれ 第5回「ネットワークアナライザ」

ネットワークアナライザは、高周波部品(デバイス)や回路網の特性を詳細に調べることができます。


● 概要

図1. ネットワークアナライザ

ネットワークアナライザ、通称“ネットアナ”。ネットワークといっても、LANのことではありません、回路網のことをネットワークと呼びます。

ネットワークアナライザを使えば、電子部品(コンデンサ、インダクタ、ノイズ対策用部品etc.)や回路網(携帯電話や無線LAN機器に搭載されるアンプモジュール、フィルターなど)、伝送路(ケーブルやプリント基板上の信号経路)の特性を詳細に調べることができます。

ネットワークアナライザが測定・分析するのは、測定対象の特性です。ネットワークアナライザは、測定対象に信号を加えて、測定対象の反応を調べます。このため、ネットワークアナライザには信号源が内蔵されています。加える信号の周波数を変化させながら、測定する周波数掃引(スイープ)が基本です。多くの測定は周波数スイープですが、加える信号の大きさを変化させながら測定するパワースイープもあります。(アンプの入出力特性を調べます)


● ネットワークアナライザの種類

ネットワークアナライザは2種類あります。スカラ型とベクトル型です。さらにベクトル型は2タイプに分かれます。(図2参照)
スカラ型は、“スカラ量(振幅)だけ”を測定します。ベクトル型は、“ベクトル量”(振幅と位相の両方)を測定できます。ベクトル型には、“伝送/反射(T/R)・テストセット”タイプと、“フルSパラメータ・テストセット”タイプとがあります。

図2. ネットワークアナライザのタイプ

どの機種を使うかは、使用者が「測定・分析の目的」と、「測定対象の特性」を考慮して決めます。測定時の不確かさを最小限に抑えることができるのは「フルSパラメータテストセットタイプ」です。


● 画面

ネットワークアナライザは、さまざまな測定・分析できるので、測定結果のグラフ表示方法も多様です。(表1参照)

  • 測定項目(反射特性、伝送特性、Sパラメータ)
  • グラフ(直交座標、極座標、スミスチャート)
  • 表示スケール(対数、リニア)
表1. 測定項目と表示方法

さらに、一画面に表示するグラフの数も指定できます。複数の分析結果を比較したり、視点を変えて分析するために、一画面に複数のグラフを表示させることもできます。(図3、図4参照)
グラフ数:1グラフ/画面~4グラフ/画面

図3. 画面例:振幅と位相を直交座標表示
図4. 画面例:Sパラメータをスミスチャート表示

● 設定

パネル面のキーと画面上のソフトキーを組み合わせて各種の設定を行います。大きく分けると下記の4種の設定をします。詳細設定は、画面にメニューを表示して対話式に設定していきます。

  1. 信号源部の設定(周波数範囲と出力レベル)
  2. 測定部の設定
  3. 各測定に応じた詳細な設定
  4. 画面表示の設定(グラフ数/画面、グラフの種類、グラフのスケール)

ネットワークアナライザは測定・分析項目の種類が多く、結果の表現方法(グラフ)の種類も多いので、習得や使いこなしが、とても難しい機種です。同じ高周波の分析器であるスペアナ(スペクトラム・アナライザ)と比べると、とても難しい分析器です。

ネットワークアナライザを自在に使いこなせるエンジニアの方は、高周波を広く深くマスターしているエキスパートといえます。



他のアナライザあれこれ記事はこちらから

タグ