技術情報・レポート

2017/08/30

温度と測定器 (前編)

身近なのに、意外と知らない温度の話(米国と日本では大違い! センサーは? どんな測定器で測るの?)

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立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ暑い日が続きます。温度といえば、子供のころ細長いガラス温度計の細い赤色線の高さから温度を読み取ったことを思い出す方もいるでしょう。

自宅の薬箱には体温計が入っている家も多いと思います。エアコンの調節は、希望の温度を設定します。このように、温度は日常生活の中でも身近な測定量です。今回は温度測定について、2回に分けて説明します。


① 温度の種類

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温度には種類があります。摂氏(℃)、華氏(°F)、絶対温度(K)の3種類です。絶対温度は、科学技術分野で使用されます。日常生活の中で使われているのは、摂氏(℃)と華氏(°F)です。日本は国際単位系(SI)なので、温度といえば、摂氏(℃)です。ところが、米国(USA)や英国(UK)では、華氏(°F)が使われています。

100度という場合でも、日本人同士ならば、ぐらぐらと沸騰する熱湯の温度(100℃)をイメージするでしょう。ところが、米国人や英国人と話している中で、100度といわれたら、人の体温(熱がある時の体温)(100°F)のことです。

絶対温度で100度は、100K(-173℃)の超低温です(参考:液体窒素は-196℃、液体酸素は-183℃)。私が学生のころは絶対温度は、「°K」と記していましたが、今日では「°」を付けず、「K」と記します。3種類の温度の関係を、図2に示します。


② 温度センサー

温度を電気信号に変換するのが温度センサーです。代表的なのが次の4種類です。
A)サーミスター、B)熱電対(TC)、C)測温抵抗体(RTD)(主に白金測温抵抗体)、D)赤外線式センサー

A)サーミスターは計測用もありますが、むしろ、家電(エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、給湯器、温水洗浄便座など)や、自動車のセンサー(ラジエーターの水温、HV/EVの充電電池の温度管理)として使用される量が圧倒的に多いです。一番身近な温度センサーといえます。使用温度範囲は常温近辺です。

産業用で使われる温度センサーの主力が、熱電対と測温抵抗体です。熱電対は、低温から高温まで広い範囲の温度を測定することができます。白金測温抵抗体は、精度・安定度の高さが特徴です。

B)熱電対は、異なる二種類の金属を接合したときに生じる熱起電力を利用して温度を測定します。組み合わせる金属や用途により種類(B, R, S, N, K, E, J, T)を選びます。最も広く使用されているのはK熱電対です。

C)測温抵抗体は、金属の抵抗値が温度により変化することを利用して温度を測ります。種類(L, M, H, S)により使用温度範囲が定められいます。接続方法は、一般的な3導線式のほかに2導線式や4導線式(精密測定)もあります。

D)赤外線式センサーは、物体から放射されている赤外線の強度を測定することにより、測定対象の表面の温度を測定します。最大の特徴は、非接触測定であることです。

産業用で使用される温度センサーを比較したのが図3です。

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