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東陽テクニカ 自動運転を見据えたDMTS(Driving&Motion Test System)ステアリングが切れるシャシダイナモメータを披露

2020年には自動車計測ビジネスで売上100億円に挑戦


 計測器の専門商社株式会社東陽テクニカ(以下、東陽テクニカ)は、7月に設立した“テクニカル・リサーチ・ラボ”(神奈川県厚木市)で自動車の新しいテスト環境DMTS(Driving&Motion Test System)のデモンストレーションを行った。

 東陽テクニカは機械制御や情報通信など、“はかる”技術で8つの事業分野を持っているが、「輸入販売・箱物セールスが主力で、直近の売上は伸び悩んでいた。今後は自社開発やソリューション&サービスにビジネス領域を拡張すべく、2015年のTOYO International香港設立を皮切りに、2017年には技術研究所を設立した。販売も国内だけでなく海外も始め、今回デモするダイナモメータも、来年から米・中で販売開始予定だ」(東陽テクニカ 取締役 高野俊也氏)

 2020年にはDMTSを含む自動車計測ビジネスの売上を現在の2倍の100億円にする意欲的な計画を立てている。


toyo高野氏

高野 俊也 氏


自動運転を見据えた試験環境


 今回の東陽テクニカの提案は、「自動車の機能テストが複雑化する状況のなかで、現在の試験環境は ①”要素試作・単体テスト”の後は ②”テストコースでの実走行”になる。テストラボで限りなく実走行状態を再現することで、①と②の間にDMTS(Driving&Motion Test System)という試験環境を作ることだ」(東陽テクニカ 技術研究所 所長 木内 健雄氏)。

 そのため、同社が国内で独占販売するスウェーデン ROTOTEST社のハブ式シャシダイナモメータ(CDM)(図1)に、自社開発のVehicle Motion Realizer(VMR)を組み合わせることで、コーナリングを含む公道走行をラボで再現できるシステム(DMTS)を構築した。

 ハブ式シャシダイナモメータは、タイヤを外した車の車軸に可動するダイナモメータ(モータ)を接続した構造のため、ハンドルを回しステアリングが切れる(図2)。VMRではステア反力発生装置で車速・路面状態に応じた反力を作り、実車相当の操舵感を実現した。「これは開発計画のPhase1で、来年には自動車メーカとのジョイントで自動運転車の台上テストを実現する(Phase3)」(同 木内 健雄氏)ことまで計画している。

図1 車軸に取り付けたダイナモメータが可動するのでハンドルを回すことができる

図1 車軸に取り付けたダイナモメータが可動するのでハンドルを回すことができる

図2 ハブ式シャシダイナモメータの原理

図2 ハブ式シャシダイナモメータの原理


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