速納.com

学び情報詳細

校正トピックス「ストップウォッチ : 温度で進み方が変わる ? 」

エヌケイエス株式会社

本記事はグループ企業のエヌケイエス株式会社ホームページより転載をしています。

NKS流「ためしてガッテン!」

温度によって進み方が変わる ?

今回は、クォーツタイマーを使用した実験をご紹介します。
普段、温度の事など気にせずストップウォッチを使っていませんか ?
ストップウォッチは、品質管理以外にもスポーツシーンなどで炎天下や寒い場所など様々な環境で使用されています。
しかし、温度によって僅かですが進み方が変化することをご存知でしたか ?
そこで、今回は温度によってどのくらい変化するのか実験してみました。

実験してみました。

恒温槽を使ってストップウォッチの温度を変えて実験してみました。

恒温槽でストップウオッチの温度を変化
クォーツタイマーで測定

【測定対象】ストップウォッチ 型式:S024-6000
No.626888 セイコー製
【標準器】クォーツタイマー 型式:SS-406 三生電子製

温度によって僅かに変化することが解りました。

温度変化に対し、以下の様に測定値は変化しました。

温度を変化させた時の測定結果
温度を変化させた時の測定結果_表

最大で日差-0.37秒(月差:-11.1秒)のため、ストップウォッチの様に短時間の測定には影響有りませんが、確かに温度によって進み方が変化することが解りました。

温度によって変化することを知っておくことも正確な測定のポイントです。

実験結果から個体差は有りますが、僅かに温度の影響を受けていることが解りました。
実はその原因は、ストップウォッチなどに使用されている水晶振動子の温度特性によるものです。
水晶振動子は、JIS C 6701によると、25℃±2℃を基準にして製作されているので、常温からの温度差が大きくなればなるほど誤差がマイナス側に大きくなっていきます。

音又型水晶振動子の温度特性(25℃を基準とした場合)

ですので、25℃付近の温度環境で測定することが正確な測定することのポイントです。
同じ水晶振動子を使用しているクオーツ式の腕時計も、使用している時はそんなにズレを感じないのですが、使わずに保管しておくと電池は切れていないのに時間がズレていることがよくあると感じていましたが、身に付けていることで、常温付近で使用されているからズレが少ないと言う事もこの実験で納得できました。


転載元「エヌケイエス株式会社」のホームページは こちらから

速納.com