「ISO/IEC 17025:2005」 規格の改訂の現状と動向 (第6回) | 技術コラム|TechEyesOnline|計測器専門の情報サイト

技術コラム

2018/01/11

「ISO/IEC 17025:2005」 規格の改訂の現状と動向 (第6回)

<連載目次>

第1回:ISO/IEC 17025:2005 が求められる背景

第2回:ISO/IEC 17025:2005取得のメリット、グローバルな相互承認体制

第3回:日本工業規格のJIS Q 17025:2005とは

第4回:ISO/IEC 17025:2005の要求事項の概要

第5回:ISO/IEC 17025:2005 規格の改訂周期

第7回:ISO/IEC 17025:2005 改定の提案理由(2月初旬公開予定)

第8回:ISO 共通規格構造のルールが適用された改定(3月初旬公開予定)

ISO/IEC 規格の制定・改訂手順の詳細

ISO/IEC 規格は通常、次の6つの段階を踏んで作成されます。新作業項目の提案が承認された後、36ヶ月以内に国際規格の最終案がまとめられることとなっています。

  1. 新業務項目の提案(NP)
    • 各国加盟機関、TC(Technical Committee:専門委員会)/SC(Subcommittee:分科委員会)の幹事などが新たな規格の策定、現行規格の改定を提案
    • 中央事務局は各国に提案に賛成か反対かを3ヶ月以内に投票するよう依頼。
    • 投票結果が次を満たす時に提案は承認
    • 投票したTC/SCのP(Project Member:積極的参加)メンバーの単純過半数が賛成すること
    • Pメンバーが16人以下のTC/SCでは4人以上、17人以上のTC/SCでは5人以上の投票に賛成したPメンバーが審議に参加すること
    • 注1)NP(新業務項目提案)投票とCDV(Committee for Draft Voting:投票用委員会原案)投票の同時回付
  2. 作業原案(WD)の作成 提案の承認後、TC/SCのWD(作業グループ)においてWDの策定に当たる専門家をTC/SCの幹事がP(Project Member )メンバーと協議して任命
    • 幹事より任命された専門家はWG(Working Group)またはPT(Project Team)においてWDを検討作成
    • その上で、専門家はNP提案承認後6ヶ月以内にTC/SCにWDを提出
  3. 委員会原案(CD)の作成
    • WDはCD案として登録されTC/SCの全てのPメンバー及びOメンバーに意見照会のため回付
    • 回答期限終了後、幹事が中心にCD案を検討、必要に応じて修正
    • TC/SCのPメンバーの合意が得られた場合にCDが成立
    • その上で、CDは国際規格原案(CDV)として登録(登録期限はNP提案承認から12ヶ月以内)
  4. 国際規格原案(CDV)の照会及び策定
    • 登録されたCDVはTC/SCメンバーだけでなく全てのメンバー国に投票のため回付(投票期間5ヶ月間)
    • CDVは次を満たす時に承認
      • 投票したTC/SCのPメンバーの2/3以上が賛成
      • 反対が投票総数の1/4以下(CDVが否決された場合、TC/SCの幹事が中心となりCDVを修正し再投票にかける)
      • その上で、CDVは最終国際規格案(FDIS)として登録 (登録期限はNP提案承認から24月以内)
  5. 最終国際規格案(FDIS)の策定
    • 中央事務局が登録されたFDISを全てのメンバー国に投票のため回付(投票期間2ヶ月、この段階で規格内容の修正は認められず。)
    • FDISは次を満たす時に承認され国際規格として成立
      • 投票したTC/SCのPメンバーの2/3以上が賛成
      • 反対が投票総数の1/4以下(登録期限はNP提案承認から33ヶ月以内)
  6. 国際規格の発行
    • FDISの承認後、正式に国際規格として発行(発行期限は幹事による国際規格の印刷・校正終了後2ヶ月以内)

なお、IECは技術革新のスピード・アップに対応して時宜を得た国際規格策定を行うために、迅速手続(Fast-track procedure)制度を導入しています。

迅速手続では、各国で一定の実績のある規格が、TC/SCメンバー又はIECと提携関係にある国際的標準化機関(ECMA(欧州コンピュータ工業会)、ITU等)からIEC事務総長に国際規格提案がされた場合、1.2.3.の作業手続を省いて直ちにCDV登録されることとなります。



※ 公益財団法人 日本適合性認定協会(JAB)および、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(nite)の公開資料を参考に作成

第7回へ続く(2018年2月初旬頃公開予定)