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技術コラム

2017/11/30

三興コントロールの考える “計測結果の信頼性”

Q:三興コントロール株式会社(以下、三興コントロール)の主な業務内容を教えてください。

会社紹介

出典:三興コントロール

三興コントロールは、三興グループの1社で、母体の株式会社三興は、計装、電気ならびに配管設備の設計・施工業務として創業しました。

三興コントロールは、計装制御システムのトータル・ディベロッパとして分社化した会社です。計装システムの機器装置の設計、製作、計測機器およびシステムの保全のメーカとして、日本国内はもとより、東南アジアを中心として世界中にその技術とサービスを提供しています。

私が所属している計測制御サービス事業部の校正技術部は、計測機器の「校正」と「試験」、および校正装置、試験装置の設計、製作を行っています。公的機関が主催する様々な専門委員会・研究会へ積極的な参加、活動を通じ、より高い計測・校正技術を保持しており、国内有数の校正設備環境と校正技術を実現しています。

Q:田村様のご経歴を教えてください。

1974年に三興コントロール株式会社に入社し、計装保全、海外プラントの計測制御システム設計に携わり、三興グループ内の計装技術教育訓練センターの立ち上げ、三興グループのISO 9000シリーズの立ち上げを行いました。また、現在の所属している校正技術部の立ち上げも行いました。

社外活動では、JCSS各種技術分科会委員、JIS各種素案作成委員、一般社団法人日本計装工業会研修員他があり、積極的に活動しています。

取材に対応いただいた田村純氏

取材に対応いただいた、三興コントロール株式会社
計測制御サービス事業部 校正技術部 部長 田村 純 氏

Q:日本のモノづくり 環境は目まぐるしく変化してきたと思います。この変化をどのように捉えておられますか。

国内製造から海外製造へ、垂直統合から水平分業などの変化が起きています。品質という観点で考えると、海外で製造したものは本当に一貫して品質管理できているのでしょうか?答えはノーだと思います。以前の国内製造であれば、一貫した品質管理が出来ていたと思います。しかし、海外生産の場合はどうでしょうか。生産国で出荷検査などの品質管理を行っており、日本と同等の品質管理を行えていないといったことを聞くことがあります。日本ブランドの製品なのにそれでよいのでしょうか。海外で生産はできても、日本で行っていた品質管理のノウハウをそのまま海外で行うことが難しいからではないでしょうか。

また、JIS(日本工業規格)によって、日本のメーカは守られ過ぎていると感じています。JIS規格を遵守していれば良いといったように感じます。しかし、このJISも日本の産業構造の変化に合わせて、規格名称「日本“産業”規格」として、経済産業省が法律の見直しを進めています。この背景は、 日本の国内総生産(GDP)の7割をサービスが占めるようになり、サービスの分野への拡大が重要だとしているからのようです。これからは、従来のJISの遵守だけで安心といったことがなくなりますので、この変化に対応できることが大切ではないでしょうか。最近、海外の計測機器メーカさんは製品とともに校正を基本とした製品の適合性評価の自己宣言書を添付してくる例も見受けられます。

それと、GDPの7割がサービスとあるように、ハードウェアの単なる組み立てだけであれば日本でなくてもできるので、ハードウェアを作ることだけがモノづくりではなく、ハードウェアのモノづくりに付随する “コト”もモノづくりといった捕らえ方に考え方が変わってくるかもしれませんね。

Q:モノづくりにおける製品品質に関して重要なことはなんでしょうか?

“ユーザが現場で使っている状態”における品質管理が重要だと考えます。例えば高価な製品の保管倉庫建設時の空調についてあるユーザから相談をもらいました。それは、旧来の空調メーカは、壁に温度センサをつけて計測・制御しているのですが、それではユーザの求める製品保管場所の環境品質にはならないのです。製品は「壁」際だけに保管をしませんよね?通常は製品の保管は倉庫の中心部に置かれます。製品近傍に温湿度センサを設置し計測制御する必要があるのです。ユーザは、製品を現場に設置したときにその品質をどう保証していくのか、を求めています。当社はその様なケースにも対応しています。

自動車の燃費を例にすると、2018年 の10月から導入される「WLTCモード」(Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle:世界統一試験サイクル)が良い例ですね。今までの「JC08モード」と比べ、より実際の走行に近づいた燃費表記です。つまり、試験方法がより使用者の実態に近づいた内容になったということです。自動車業界だけでなく、他の業界もこのような動きが加速してくるだろうと感じています。

使っている状態をフィードバックすることは簡単ではないかと思いますが、製品品質もより使用実態に近い状態で品質保証を行うことが大切でしょう。