技術情報・レポート

2018/02/06

家電の省エネを支えるモータと測定器

家庭で使うエネルギーは、家計簿では光熱費に分類されます。光は照明(電気)。熱には空調(電気)、給湯・風呂(電気、ガス etc.)、調理(電気、ガス)があります。照明は、ほぼ100%電気といっていいでしょう。熱は給湯・風呂・調理でガスがありますが、全体でみると電気を使うものが多いですね。夏は、空調で電気の使用量が急増する季節です。

エアコンの原理

暖めたり、冷やしたりするために、ヒートポンプを使います。ヒートポンプは、空気から熱を取り込み、移動させることができます。水が高いところから低いところへ流れるのと同様に、通常、熱は暖かいところから、冷たいところへと伝わります。ところが、ヒートポンプを使うと、通常とは逆に冷たいところから、暖かいところへ熱を移動させることができます。ヒートポンプを使えば、真夏でも冷蔵庫で氷を作ることができます。冷蔵庫内の空気から熱を取り、移動させて、背面から室内へ熱を放出します。

ヒートポンプは、気体や液体の性質を利用して熱を移動させます。気体や液体は、圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がります。圧縮機は強力な電動モータで回します(図1)。エアコンの消費電力の多くは、圧縮機で使用されます。圧縮機のモータを少ないエネルギーで動かすことができれば、省エネになります。

図1. ヒートポンプ

モータの回し方(PWM)

インバータと呼ばれる方式では、駆動電圧を細切れ(千分の一秒以下)にして、モータへ加えます。モータにはコイルが入っています。コイルに電流が流れて力を発生します。コイルの性質を利用して、駆動回路を工夫すると、駆動電圧がOFFのときでもモータのコイルに電流が流れ続けます。コイルに電流が流れるので、モータは動き続けます。駆動電圧がOFFの時間は、電気を供給しなくていい分省エネになります(図2)。

図2. PWM駆動

PWMでは、駆動電圧のON/OFFの時間を変えることにより、モータの駆動力を細かく制御することができます。一方、PWMでない場合は、駆動力の調整は調整する分を熱に換えて捨ててしまうので効率が悪いです。

モータといえば、電動自動車も

モータの回し方(駆動方法)を工夫して、省エネにするのは電動自動車(EV,HV,PHV)も同様です。自動車の場合、省エネの効果は、充電での走行可能距離の延伸や燃費の改善となります。

測定器

省エネが課題になるときに、よく使われるのが電力計・電源アナライザです。インバータ(PWM制御)では、広い周波数を測定できる機種が必要です(図3)。

エアコンや冷蔵庫のように温度測定が必要な場合は、多CHのレコーダやロガーに温度センサ(熱電対etc.)を接続して測定します。温度センサは、消耗品で、お客さまに用意いただきます(図4)。

図3. 電力計・パワーアナライザ
図4. レコーダ・ロガー

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