技術情報・レポート

2017/10/19

アナライザあれこれ 第6回「パワーアナライザ」

再生可能エネルギー、電動自動車(HV・PHV・EV) の効率アップを陰で支える測定器がパワーアナライザです。

● 概要

図1. パワーアナライザ

パワーアナライザは、電力計(パワーメータ)をベースに、高調波解析機能や、モータ評価機能、電源異常監視機能などが搭載されています。呼び名は、パワーアナライザ、電源アナライザといった具合にメーカなどによって異なります。電源異常監視を重視した機種を電源品質アナライザと呼ぶメーカもあります。


● 用途

スマートグリッド・再生可能エネルギー(太陽光発電・風力発電)でも、効率的な運用のために電力測定は必須です。パワーコンディショナ(通称:パワコン)の入力電力と出力電力を測定することで、パワーコンディショナの変換効率を求めることができます。パワーコンディショナはスイッチング駆動が主流なので、高い周波数範囲まで測定する必要があります。また微小な待機電力とフルパワー時の大電力の両方を、高精度に測定する必要があります。

HV・PHV・EVの開発では、モータや駆動回路の効率改善、電池の充放電制御で電力測定が必須です。また回生電力の測定もします。モータへの入力電力とモータからの出力を比較することで、モータの効率を調べます(図2参照)(ただしモータの出力は機械的な方法で測ります)。

図3. 用途例 モータ測定

● 機種

普及価格機と高級機の性能面での違いは2点あります。1点は電力測定の正確さで、もう1点は電力測定の周波数範囲です。測定対象周波数の範囲が、100kHz以上や1Hz以下を含む場合や、高い測定確度が求められる場合は、高級機を使用する必要があります。変化幅の大きな現象(待機電力/フルパワー)の高精度測定や、インバータ・スイッチング駆動の測定に適した機種は、中級~高級機から選定する必要があります。主なメーカは、横河計測、日置電機です。


● 機能

パワーアナライザは、交流(単相2線、三相3線)、直流(電池)を測定します。交流には2種類あります。家庭用の単相2線式と事業所向けの三相3線式です。パワーアナライザはどちらも測定できます。

入力チャンネル数が6CHの機種が増えてきました。これは三相交流の測定には3CH必要であり、さらに入力と出力を同時に測定する場合は、3CH+3CHの合計6CH必要になるためです。電流測定には“貫通型電流センサ”や“クランプ型プローブ”が多く使用されています(図3参照)。

図2. (左)貫通型電流センサ、(右)クランプ型プローブ

基本測定項目は、電圧・電流・有効電力・無効電力・皮相電力・力率・周波数など。測定結果は各チャンネルごとに数値で表示します。一度にすべての項目を表示することもできるし、必要に応じて選択した項目だけを表示させることもできます。7項目を6CH分表示すると、42種類の数字が表示されることになります。また、各測定値の時間的な変化をグラフで表示することもできます。

高調波分析機能は、FFT分析手法により波形の“ひずみ”を定量的に分析します。分析結果はグラフ(横軸が周波数、縦軸が大きさ)で表示されます。高調波成分が多いと電源異常のトラブルの原因になります。


● 電源異常の監視

図4. 電源異常①:電圧低下、図5. 電源異常②:サージ(ピーク・ディップ)

電源異常には、電源電圧低下、瞬時停電、サージ(瞬間的な過大電圧)などがあります。電源の異常が原因のトラブルは少なくありません。例えば”自社検査では正常なのに、納入先では時々、誤動作する”といったような現象は、設置場所の電源環境に起因する場合があります。このような現象の解明に電源品質アナライザが活躍します。電源を常時監視し、異常が発生したらデータを捕まえてくれます(図4、図5参照)。



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