技術情報・レポート

2017/10/04

アナライザあれこれ 第4回「半導体パラメータアナライザ, カーブトレーサ」

第4回は半導体(トランジスタなど)の入出力特性を測定するために使用されるアナライザ「半導体パラメータアナライザ, カーブトレーサ」です。

図1. カーブトレーサ テクトロニクス 370

図1. カーブトレーサ テクトロニクス 370

情報技術、電子技術による現代の便利な生活を支えるのが半導体です。パソコンやスマホ、HV/EVなどの自動車の電動化、スマートハウスでのエネルギー制御も半導体が大きな役割を果たしています。もちろん、T&M製品の中にも、各種の半導体が使われています。

半導体といえばトランジスタです。ハイテク産業の米ともいわれます。トランジスタはICを構成する基本要素です。

ICは多数のトランジスタで作られています。CPUでは、数百万個のトランジスタが使われています。

使用目的(高速動作、省電力動作、高耐圧駆動 etc.)に応じて、それぞれに適した性能・特性の半導体を使います。半導体の性能・特性を測るためのツールが、今回のテーマです。


① 半導体パラメータアナライザ, カーブトレーサは、半導体(トランジスタなど)の特性を分析するために使います

出力変化グラフ

図2. 電圧・電流の出力変化

入力電圧・電流を変化させたときの、出力の変化(電流・電圧)をグラフ表示します。このグラフは曲線になるので、“カーブトレーサー”とも呼ばれます。(図2参照)

半導体の特性(パラメータ)を測るので、“半導体パラメータアナライザ”、略して(パラアナ・半パラ) で呼ばれることもあります。測定器の中身が、直流電源部(ソース)と直流電圧測定部(メジャー)で構成されるので、“ソースメジャー”、“ソースメータ”と呼ばれることもあります。メーカにより名称が異なります。


② 広く使われてきているのが、下記の2機種です

● キーサイト・テクノロジー 4155、4156 半導体パラメータアナライザ

● テクトロニクス 370 カーブトレーサ

パワー系はカーブトレーサで、精密小信号系は半導体パラメータアナライザでという使い分けがされています。お客さまの現場では相当な台数が稼働中ですが、上記の2機種とも販売終了しました。今後は、表1に示す機種に世代交代していくと思われます。

表1. 現行製品の例

メーカ名

品名

型名

キーサイト・テクノロジー

半導体デバイス・パラメータ・アナライザ

B1500A

キーサイト・テクノロジー

プレシジョンソース/メジャーユニット

B2901A

横河計測

直流電圧/電流源

GS210

ケースレーインスツルメンツ

ソースメータ

2400

岩崎通信機

半導体カーブトレーサ

CS-3300


③ 2種類の製品形態

[システム型]

システム型メインフレームに、SMU(Source Mesure Unit)と呼ばれるモジュールを搭載して使用。

本体に画面、操作部やコントローラがあります。測定機能は、各SMUモジュールにあります。

[ユニット型]

ソース機能・メジャー機能と最小限の操作・表示機能を持ちます。表示部は、英数字1~2行程度です。

パソコンからリモート制御し、測定データはパソコン画面で確認する用途を想定しています。


④ 測定対象デバイスとの接続には、テストフィクスチャやプローバを併用します

図3. テストフィクスチャ キーサイト・テクノロジー 16442

図3. テストフィクスチャ
キーサイト・テクノロジー 16442

[テストフィクスチャ]

市販の半導体には、さまざまな形状のパッケージに収められています。一方測定器の入出力端子の形状は決まっています。そこで、さまざまな形状の半導体(測定対象デバイス)を測定器に接続するためのアダプタがテストフィクスチャです。カーブトレーサでは本体と一体化されています。

[プローバ(ウエハプローバ)]

半導体はウエハと呼ばれる円盤状の板に作り込まれます。1枚のウエハに多数のチップが作り込まれます。ウエハからチップを一つ一つ切り分けてパッケージに収めると製品になります。ウエハの段階で電気的な測定をするために、ウエハ上のチップに電極針(プローブ)を接触させるための装置がプローバです。

[トライアキシャルケーブル]

テストフィクスチャやプローバと測定器本体との間は、特殊なケーブルを使います。微少信号をノイズの影響を受けずに送るために、トライアキシャル(Tri-axial)ケーブル(3重同軸)を用います。


⑤ 安全装置

半導体測定器は測定時に、人体に危険な高電圧・高電流を発生します。感電事故を防止するために安全装置が付いています。(安全装置の種類は、機種により異なります)

[インターロック]

測定時に誤って測定対象デバイスに触れたりしないように、測定開始前にテストフィクスチャのカバーを閉じます。測定中にカバーを開けると、自動的に電圧・電流を遮断し、感電を防止します。(インターロック)

[非常停止ボタン]

測定器正面の目立つ位置に赤い大きなボタンが配置されています。このボタンを押すと、測定器の設定や動作状態にかかわらず、電圧・電流を遮断します。(機器や測定対象デバイスの損傷よりも人命保護を優先します)



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