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車と電気 (エレクトロニクス) と測定器

[ 自動車と電気のかかわり ] エンジンの電子制御からHV(エンジン+モータ-)へ、そしてEV(モータ-)の登場

エコカー補助金終了で息切れ気味だった国内自動車業界ですが、ここにきて、次々と新車が発売されています。注目の的は、EV(電気自動車)リーフです。これまでのEVは既存の車種を改造したもので、公用車や企業向け中心の販売でした。これに対して、リーフはEV専用設計で、世界戦略車として大量生産・販売されます。EV時代の幕開けを告げるものです。


自動車と電気の関係

自動車の世紀といわれた20世紀の間中、車と電気の関係はエンジンが主役で、電気は脇役でした。HV(ハイブリッドカー)プリウスの登場により、主動力源をエンジンと電気モーターで分担するようになりました。EVでは、ついに電気が主役になります。エンジンは搭載せず主動力源がモーターになります。


古くて新しいEV・HV

19世紀末に自動車が誕生してから、しばらくの期間は3種類の動力源がありました。エンジン(内燃機関)、電気モーター、蒸気機関です。またエンジン発電機+電気モーターのHVもありました。日本でも昭和の初め頃は、蒸気自動車(木炭自動車)が走っていました。

  • 蒸気機関は、SL(蒸気機関車)のように、大きな力を発揮できるのですが、大きくて・重くて取り扱いが面倒でした。
  • 電気モータ-は、電池の容量が少なくて短距離しか走れず、用途が限られ普及しませんでした。
  • エンジンは急速に改良が進み、自動車の動力源の主役を占め続けてきました。自動車だけでなく、飛行機の主動力源としても広く使われました。

車の電機・電子装備(一部)

画像の説明文


電子化の要:ECU

自動車の制御には、ECU(Electronics Contorl Unite)が使われます。1台の車には、数多くのECUが搭載されています(軽自動車やコンパクト・カーで10~20個程度、高級車では50個以上)。

ECUは、センサ-からの入力信号をデジタル変換し、マイコンで演算します。演算結果に応じて機器を駆動・制御します。車の電機・電子装備の進化=ECUの進化ともいえます。ECUの進化は半導体の進化に支えられています。自動車用の電子機器には、非常に厳しい動作条件(温度・湿度・振動など)(真冬の北国から炎天下の砂漠、雨期の熱帯雨林)が要求されます。初期の半導体は自動車で必要な使用条件に耐えられなかったので、自動車の電子化は家電などにくらべると大きく遅れていました。

[参考] 計測器の動作範囲は、一般的に10℃~40℃です。フィールド用(現場用)といわれるものでも、-10℃~50℃程度です。


電動化・電子化のこれから

2つの方向性

  • 電動化(EV,PHEV)
    モータ-(インホイールモータ-、レア・アース・フリー)
    駆動回路の高効率化(Sic)
    電池(大容量化、高速充電)
  • ITS・インフラ
    カーナビから交通情報システムへ
    充電インフラの整備、電池のリサイクル

自動車の業務でよく使われる計測器

  • レコーダ-
  • オシロスコープ
  • 電力計、電流プローブ(パワエレ)
  • スペアナなどの高周波測定器(EMC測定)(カーナビ・ITS関連)
  • 自動車関連特有の測定器
  • 回転計、トルク計、振動計、FFTアナライザ-、騒音計 etc.


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