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2017/08/30

計測・測定の基礎 | 抵抗・コイル・キャパシタを測る

抵抗を測定する場合にはデジタルマルチメータの内部に設けられた定電流源を使います。定電流源は負荷(接続された抵抗)に関係なく一定の電流を流します。すると抵抗の両端に電圧が発生します。この電圧を電圧計が測定し、「電圧値/定電流値」で抵抗が求められます。

このように抵抗測定は、定電流源を使いますので、定電流源の確度が抵抗測定の測定結果に大きく影響します。


図1. 抵抗測定器の原理(2端子測定法)

図1. 抵抗測定器の原理(2端子測定法)


小抵抗の測定ではテスタリードやアリゲータクリップの当たり方によって指示値が安定しません。解決には4端子法が有効です。

図2. 4端子法抵抗測定

図2. 4端子法抵抗測定


内部の電圧計はSense端子の電圧を測りますが、電圧計の内部抵抗は10MΩ程度と接触抵抗に比べて比較にならないほど大きいので、電流はほとんど電圧計には流れません。このため接触抵抗で発生する電圧降下は極めて小さくなり、安定して抵抗両端の電圧が測れます。抵抗に流れる電流値は電流源により一定ですので安定した測定が行えるわけです。

さて、コイルのインダクタンスやキャパシタの容量を手軽に測定するためにはLCRメータが便利です。測定する周波数はスポットで100kHz程度まで任意に設定できます。

写真1. LCRメータの製品例

図2. 4端子法抵抗測定


キャパシタを例にとると、キャパシタンス成分のみの純粋なキャパシタは存在しません。簡単なモデルでは寄生インダクタンスと寄生抵抗の直列と考えることができます。

図3. キャパシタの簡易モデル

図3. キャパシタの簡易モデル


周波数の低い領域ではキャパシタとして動作しますが、寄生インダクタンスと直列共振回路を形成し、その周波数でインピーダンスが大幅に低下(理論的にはゼロ)します。実際は寄生抵抗により下げ止まりし、共振周波数以上の周波数ではもはやインダクタとして働き、インピーダンスが上昇します。

図4. キャパシタのインピーダンス周波数特性

図4. キャパシタのインピーダンス周波数特性


この様なインピーダンス特性を詳しく調べるためにはインピーダンス・アナライザが便利です。100MHz程度までの特性を調べることができます。

写真2. インピーダンスアナライザ

図3. キャパシタの簡易モデル

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