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2018/03/12

【展示会レポート】MWE 2017 マイクロウェーブ展(会場:パシフィコ横浜)


画期的な円偏波アンテナと、電磁波伝搬解析・実測技術

展示内容: 次世代の超高速・広帯域無線通信を支える円偏波アンテナ及びコンクリートの詳細構造を考慮した電磁波伝搬の解析・実験
学校名: 東京工科大学
説明者: 工学部 電気電子工学科 准教授 松永 真由美 氏


松永氏

松永 真由美 准教授(右から二人め)

研究概要

研究概要
「3次元大規模伝搬シミュレーションによる第5世代移動通信における構造物の影響の解明」
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松永氏: アンテナや電波伝搬の研究を20年近くしてきました。4月から東京工科大学に就任しました。いくつか展示していますが、5Gの障害物の影響をテーマにした研究をしています。建物のコンクリート壁などが5G通信に悪影響を与えないか、従来のマイクロ波の解析技術が使えるのかどうか、どうシミュレーションしたら良いかを北海道大学の先生と共同で研究しています。

TEO:これは解析手法の研究ですか?

松永氏: いいえ。手法だけでなくトータルに研究しています。手法はFDTD法というものがあり、それは私が開発したわけでもありませんのでそのまま使います。複雑な構造になったときにどう解析するかというモデリングの作成や、実際の実験で測定を行い、シミュレーションと実測の比較をしています。コンクリートの詳細な構造から両方の検証をしている例は、国内外を見てもほとんどありません。学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)の平成29年度年度萌芽型共同研究課題として採択されましたので、北海道大学のスーパーコンピュータを使用して研究を進めています。

実験は大変ですからシミュレーションだけで各移動通信事業者が新しい方式を導入することができれば、効果的だと考えて、シミュレーション環境の整備に貢献しています。

TEO:こちらはアンテナの研究ですか?

松永氏: 私が考案して学会で発表した左右両円偏波を放射するアンテナの研究です。ループアンテナとパッチアンテナの2種類です。2つ以上の周波数で円偏波をきれいに出すことに成功しました。スマホなどに使うには、アンテナに周辺回路を組み合わせて性能を出すようなスペースはありませんから、アンテナだけできれいな特性を出す必要があります。パッチアンテナは特に920MHzと2.45GHzの3倍近い2つの周波数で特性が出ています。従来にはない新しい発明です。

TEO:これはいつ発表されたのですか?

松永氏: 2016年の国際会議で発表しました。また電子通信学会誌の2017年6月号に論文が掲載されました。

TEO:ありがとうございました



※東京工科大学 工学部 電気電子工学科 松永研究室の製品ページはこちら



フィルテナ(フィルタとアンテナの一体化)とフィルタの自動設計ソフトウェア

展示内容: 小型高性能マイクロ波受動回路 (フィルタ・アンテナ・パワーデバイダ)の研究開発
学校名: 埼玉大学
説明者: 大学院理工学研究科 数理電子情報系専攻 博士前期課程1年生 鈴木 悠介 氏
研究室代表者: 工学部 電気電子システム工学科 馬・大平・王研究室 馬 哲旺 氏・大平 昌敬 氏・王 小龍 氏


鈴木氏

鈴木 悠介氏(中央)

鈴木氏: 4つのテーマを展示しています。マイクロ波の研究をしていて、バンドパスフィルタ(広帯域・狭帯域)、電力分配器、回路合成にもとづくソフトウェアです。

TEO:フィルタリングアンテナとソフトウェアを説明してください

5段共振器直結形フィルテナ

5段共振器直結形フィルテナ(左から4段の共振器とアンテナ)
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鈴木氏: フィルタとアンテナが一体になったものをフィルテナと呼んでいます。フィルタの回路合成理論によって、フィルタとアンテナの一体設計をしました。従来のアンテナはパッチアンテナ1つで動作しているので帯域が狭いなどの課題がありました。今回は4段の共振器の最終段にアンテナをつけて広い通過域とフラットな利得特性を得ています。裏側(Bottom)は、放射量を調整するための機構として開口を設けています。5段共振器直結形フィルテナと名付けました。もうひとつパネル展示しているのは1段目の共振器と4段目のアンテナに飛び越し結合を作り、急峻なフィルタ特性を実現しています。4段有極形フィルテナと呼んでいます。

次に、フィルタの自動設計のソフトウェアを研究室で作りました。結合行列にフィルタの共振周波数などを入力して、バンドパスフィルタの構造を計算します。ニューラルネットワークによる学習で、自動計算ができます。 通常はフィルタ設計には調整が必要ですがそれが不要になります。理論通りの理想的な周波数特性のフィルタが設計できます。

TEO:従来はこのような設計はなかったのですか?

鈴木氏: 部分的な自動設計はありましたが、ここまでの自動設計は私たちが初めてです。次のSynforneeは設計仕様からフィルタの回路合成ができるソフトウェアです。VFapp(ベクトル・フィッティング・アプリ)は逆にフィルタの特性から共振周波数などを求めるソフトウェアです。これらも研究室で作成しました。どちらもフィルタの設計が楽になり効率的にすることができます。従来、フィルタの設計は経験による調整でしたが、自動ソフトウェアによって、どこをどう修正すれば理想の値になるかがわかります。

小型高性能マイクロ波受動回路の研究開発

小型高性能マイクロ波受動回路の研究開発(1/4)
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小型高性能マイクロ波受動回路の研究開発

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小型高性能マイクロ波受動回路の研究開発

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TEO:ありがとうございました


※埼玉大学 工学部 電気電子システム工学科 馬・大平・王研究室の紹介ページはこちら

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