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2018/03/12

【展示会レポート】MWE 2017 マイクロウェーブ展(会場:パシフィコ横浜)

 第5世代移動通信(5G)やIoTなどのマイクロ波や高周波技術における国内最大級のイベント、「2017 Microwave Workshops & Exhibition(MWE 2017)」(主催:電子情報通信学会 APMC国内委員会、後援:総務省)が、昨年の11月29日(水)~12月1日(金)の3日間、パシフィコ横浜で開催されました。「新時代の幕開けをいざなうマイクロウェーブテクノロジー」という基調コンセプトで、今までに無い新しい価値やサービスの登場が期待されていることがうかがえます。TechEyesOnline取材班(TEO)は、たくさんの出展社の中から、計測器メーカと大学の5ブースをピックアップして取材しました。


❶ テクトロニクス社/ケースレーインスツルメンツ社 ❷ 森田テック株式会社 ❸ 東京工科大学 ❹ 埼玉大学 ❺ 国士舘大学


IoTを実現する測定ソリューション

製品名: IoT用小型無線計測器
会社名: テクトロニクス社/ケースレーインスツルメンツ社
説明者: 営業技術統括部 FAE部 アプリケーション・エンジニア 岡田 信孝 氏


TEO:展示品を説明していただけますか?

岡田氏

岡田 信孝 氏

岡田氏: IoT向け無線用の通信計測器で小型・安価な機種を展示しています。ネットワークアナライザ(ネットアナ)、スペクトラムアナライザ(スペアナ)、信号発生器の3機種で、右の青い箱がネットアナで新製品です(図1)。左隣の下が信号発生器、上の黒いアンテナが付いているのがスペアナになります。手前のタブレットでスペアナの測定結果を表示しています。今回はこの展示会場内の電波状況を測定していますが、非常に多くの電波で込み合っているのがわかります。

920MHz帯のLPWA(※)の方式でLoRa(ローラ)というのがメジャーな規格ですが、信号が独特なので通常のアナライザでは解析ができません。今回はその専用のアナライザを作りました。プリント基板にLoRaのモジュールを実装してその信号を測定した結果がPCに出ています(図2)。スペアナのアンテナで受けて解析した結果をPCに表示しています。デコードして信号の状態や変調方式がどうなっているかを解析するツールです。LoRaのアナライザとしては新製品です。
※LPWA:920MHz帯を使った長距離・低消費電力無線の総称。

TEO:LoRaはどんなアプリケーションで採用されそうですか?

岡田氏: IoTのセンサネットワークで約10kmまで通信できますから、メータの検診とか、農業で温度管理などができるだろうと考えられています。ハードウェアは当社のスペアナを使用し、株式会社シーエスファーム社と協力して当社スペアナ用の解析ソフトウェアを作成しました。

(図1)コンパクトな筐体にベンチトップ機並みの性能を内蔵したTTR500シリーズ ベクトル・ネットワーク・アナライザ

(図1)コンパクトな筐体にベンチトップ機並みの性能を内蔵したTTR500シリーズ ベクトル・ネットワーク・アナライザ
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スペアナの解析画面

スペアナの解析画面
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IoTを実現するLPWA通信規格のひとつ「LoRa」を使った測定デモ

(図2)IoTを実現するLPWA通信規格のひとつ「LoRa」を使った測定デモ
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TEO:ありがとうございました


※カタログダウンロード(会員限定)はこちら
RSA300_500_600_catalog.pdf
TSG4100A_catalog.pdf
TTR500_catalog.pdf

※テクトロニクス社/ケースレーインスツルメンツ社の製品ページはこちら



第5世代移動通信(5G)対応の28GHz帯域アンテナカプラ

製品名: 第5世代移動通信(5G)用アンテナカプラ
会社名: 森田テック株式会社
説明者: 営業推進 技術部 電気設計課 小倉 聰 氏


小倉氏

小倉 聰 氏

TEO:製品と特長をご説明ください

小倉氏: 第5世代移動通信(5G)で使用が予定されている周波数23~29GHz帯のアンテナカプラです。アンテナカプラは測定用のアンテナで、EVM値(変調精度)を1%以下の測定系で測定できることが今回の最大の特長です。

アンテナカプラは測定する端末や装置に近接ないし密接して測定するため、結合周波数特性および反射減衰量(リターンロス)の乱れが測定に影響を与えてしまいます。このアンテナカプラはこれらの乱れを起こさない特長を持っています。展示ではアンテナカプラ同士を結合した状態ですが、これは測定物とアンテナカプラとの密接状態を再現しています。 密接状態の時の結合、損失特性が周波数に対してほぼフラットに保たれており、またアンテナカプラ同士の距離を変えてもフラットな特性は維持されたまま減衰量が多くなり、どちらも周波数帯域内での偏差が5dBの範囲内に入っています。また、測定物の外装が金属や金属メッキの物に見立てたアルミの板をアンテナカプラに張付けると、アンテナカプラに対して全反射となるため、通常は反射減衰量特性が激しく波打ちますが、この製品は反射減衰量が悪化しても緩やかな特性を維持することが特長です。これらの性能によってEVM値1%が実現されています。

TEO:VSWR(※)が従来とは違うということですか?
※VSWR:Voltage Standing Wave Ratio 電圧定在波比

小倉氏: その通りです。5Gで採用される予定の変調方式は広帯域で変調多値化がされるため、測定系としては1%前後のEVM値が必要と言われています。よって、広帯域に渡り緩やかな波形特性を持つアンテナカプラが必要なのです。今ご説明したのは基地局用を想定した大きいサイズですが、スマートフォンなど端末用の小さいものもあります。端末向けの小さなアンテナカプラは、端末にアンテナカプラを付けて測定することが想定されますが(図1)、そうすると先ほどのアルミ板をアンテナカプラに付けたときと同じ全反射に近い状態になります。この時にVSWRが激しい波形になると、測定系のEVM値は1%を実現できなります。5Gの測定方法を考えたときに必要な技術として特許を出願中です。また、この技術は5Gに限らず、今後の更なる大容量デジタル無線通信では必要となる測定系のスペックと考えています。

EVM値の測定は、アンリツ株式会社の最新の測定器で測定していただいた結果を掲示しています。結合周波数特性および反射減衰量(リターンロス)は、アンリツ株式会社のネットワークアナライザ(MS46322B)を使って展示・デモをしています。

アンテナカプラと通過特性

アンテナカプラと通過特性
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端末とアンテナの例

(図1)端末とアンテナの例
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アンテナカプラの距離を変えたとき

アンテナカプラの距離を変えたとき
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TEO:ありがとうございました


※カタログダウンロード(会員限定)はこちら 5G対応アンテナカプラ_catalog.pdf

※森田テック株式会社の製品ページはこちら

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