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2017/08/30

年間50回超! 有名企業から引く手あまたの人気講師に聞く(2/2)

計測テクニックを伝えていきたい、残していきたい


Q:渡邊さんの計測器業界におけるこれまでのキャリアを教えてください。
小学校5年生の時、ラジオの製作をしました。オーディオなど電子工作をやっていて、大学は東京農工大学の電子工学科に入りました。本当はエンジンを作りたかったのです。エンジンの電子コントロール化をやりたかったのですが、当時はまだキャリブレータの時代です。はっきり言って職が無かったです。それだったら、民生品メーカよりプロのメーカに行きたいと思い、ソニー・テクトロニクス株式会社(現 株式会社TFF テクトロニクス社)という計測器メーカに入社しました。
渡邊02
渡邊 潔 氏
横河レンタ・リース株式会社 営業統括本部 T&M営業推進部
お客さま向け技術セミナー講師


初めは設計を希望しましたが、プロの計測器はとんでもないハイテクノロジーの世界で、とても私にはできない、と諦めました。サービス部門に配属され、3年やりました。動かない機械を直すという修理部門ですから、この職場では勉強になりました。当時はアナログオシロスコープの全盛期ですが、一部に (デジタルオシロスコープの走りともいうべき)A/Dコンバータの製品がありました。このA/Dコンバータは、ひとつ一千万円の大型の製品です。当時は今のようにPCがありませんから、ミニコン(ミニコンピュータ)につないで、A/Dコンバータでデジタル化された波形を採り込んで計算する、というシステム製品でした。箪笥のようなラックに入った3000万円くらいするシステム製品です。この製品のサポート担当になり、ソフトウェアを書いたり、メンテナンスも含めた業務をやりました。お客さまに訪問しますが、研究開発の方ばかりです。ハイレベルなR&Dエンジニアとの経験も大変勉強になりました。

このような経験を積んでいく中で、計測というものの面白さがだんだんわかってきて、営業がしたくなりました。
当時のテクトロニクスの営業はFE(フィールドエンジニア)と呼ばれていました。営業は機械の説明はするのがあたりまえですが、FEなのでソフトウェアも書くし、場合によっては大勢の前でセミナー講師もやります。当時のテクトロ二クスの営業はさまざまなことをやっていました。営業をやりながら、力を付けていって、ある程度の年齢になったらAE(アプリケーションエンジニア)をやったりとか、マーケティングをやったりとか、事業部の仕事などを色々と経験してキャリアを広げていきました。話す機会だけでなく、物書きの経験もしました。計測器に携わって40年ですが、計測テクニック(計測技術や計測スキル)について伝えていきたい、残していきたいと思って続けています。


Q:渡邊氏の計測技術セミナーが多くの方に支持されている理由は何でしょうか?
私は長く計測器メーカにいて、実際の計測の現場に立ち会ったことが多いです。今ではほとんど無くなってしまいましたが、お客さまの実験室に入って、手取り足取りで教えたことが何度もあります。例えば、このような事例がありました。”測定した波形にノイズがすごく多い。アベレージの仕方を教えてほしい”、というご質問でした。(注:波形が安定しないときに、オシロスコープの機能でアベレージング(平均化)をすると見やすくなります)ただし、気になることがあり、実際に見せてください、とお願いして現場に行きました。そしたら案の定、プローブの先に長い線がついていました。これがアンテナになっているのです。実験室ですから色んな信号や電波が渦巻いていて、それを拾っていたのです。線を短くしてみましょう、と言って測定し直したら、ノイズの無いきれいな波形になりました。これが本当の波形です。このとき、このお客さまは高額なアクティブプローブを使っていました。良いプローブを使っても、使い方が悪かったらお話にならない、という事例です。


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