2020/09/11

【編集後記】ゆるふわ取材日記Vol.2

たまさか更新の“ゆるふわ取材日記”
第二回目は、「季節のバナー画像シリーズ」(※1)第31号の取材日記〔東京都青梅市御岳山〕をお届けします。

 今回は、御岳山の夏の風物詩、レンゲショウマの撮影が目的だったのですが、実はもうひとつのテーマがありました。
 題して「御岳山のパワースポットを巡る夏休み」。奥多摩の最東端に位置する自然豊かな御岳山のパワースポットを巡りつつ、下山後は山麓を流れる多摩川沿いの御岳渓谷を散策しました。ひと夏の光景をご紹介します。


パワースポットコメント
① 産安(うぶやす)社3つの杉(安産杉 子授杉 夫婦杉)と3つのご祭神からパワーをいただく。
木花咲耶比売命(良縁)磐長比売命(長寿・健康)息長帯比売命(安産・子授け)
② 神代(じんだい)ケヤキ日本武尊の時代から生きる命のパワーをいただく。
武蔵御嶽神社参道の斜面に天を突くようにそびえています。樹高約23m幹周8.2mは東京のケヤキとしては2番目に太く、
国の天然記念物に指定されています。
ケヤキの老樹ならではの荒々しい幹が、神代の昔を思わせる存在感を漂わせます。
③ 太占(ふとまに)斎場日本最古の習わしが息づく場所からパワーをいただく。
毎年1月3日に行われる「太占祭(ふとまにさい)」は、男鹿の肩骨を灼いて神意を伺う祭で、作物の豊凶を占う日本最古
の占い形式。早朝厳寒の冷気の中で執り行われる厳粛な神事は秘儀となっており、現在でも行っている神社は全国でもほ
とんどありません。
④ 武蔵御嶽神社山頂神社からパワーをいただく。
創建は第10代崇神天皇7年と伝えられ、中世以降、山岳信仰の霊場として発展し、現在は日本三御嶽の1つに。 御岳山山
頂にある神社内の大口眞神(おほくちまがみ)社には、日本武尊(やまとたけるのみこと)が難を逃れるよう導いたとされる
白狼黒狼が祀られ、参拝者も多く訪れます。
⑤ 七代(ななよ)の滝深い森の中で発する白飛沫のパワーをいただく。
大小七つの滝が、落差約50mの最上段から、流れ落ちています。うっそうとした森の中で樹々の生命力を身体で感じ、岩
を削る水の力にリスペクトされ、さらにマイナスイオンで身も心も浄化。大自然のパワ−を存分に満喫できるスポットです。
⑥ 綾広の滝神霊からパワーをいただく。
滝の右奥には、祓を司る神である祓戸乃大神(はらえどのおおかみ)が祀られています。今も滝行の場として使われていま
すが、古くから武蔵御嶽神社の神事が行われることから「修行みそぎの滝」とも言われています。目の前で10mの高さから
流れ落ちる滝は圧巻。
⑦ 天狗の腰掛杉サボテンの様な大木からフルパワーをいただく。
高さ60mを誇る杉の大木を見上げると、幹の途中から水平に1mほど伸びた後、グッと直上に伸びる枝が。この枝には天狗
が腰を掛けて人々を見下ろしていると言われています。幹周6.5m。山中にはかなりの太さの杉が多くありますが、中でも
注目に値する太さです。


 JR御嶽駅を降りてバスに乗り、ケーブル下バス停へ。ここからケーブルカーの滝本駅まで5分程度歩きますが、アスファルトの勾配(登坂)がきつくてなかなか足が前に進みません。
 ケーブルカーに乗って、400mから一気に820mまで登ります。御岳山駅から歩いてほどなく富士峰園地にレンゲショウマの群生地があります。
 レンゲショウマを観賞していると展望台に出ます。今日はあいにく曇っていますが、天気が良ければ新宿高層ビル群や東京スカイツリーまで見渡せる絶好のロケーションです。実はこの近くから御岳山のパワースポット巡りができます。

御岳山のケーブルカー

最大傾斜25度の急勾配ケーブルカーで一気に山上駅へ

展望台からの眺め

リフト展望台(標高881m)から都心方面を望む

レンゲショウマ群生地

レンゲショウマ群生地


 まずは、産安社から。子授檜、夫婦杉、安産杉という三つの御神木がある子授け・安産・良縁・長寿祈願のパワースポットに立ち寄り、参道に合流します。

産安社

産安社。左の巨木が安産杉

夫婦杉

夫婦杉。二本の間を夫婦手を繋いで通れば一層円満だとか

 御師集落の中を進むと二つ目のパワースポットである神代ケヤキが見えてきました。日本武尊東征の昔から二千年あるとされる御神木は、今年も緑葉が映えていました。

神代ケヤキ

迫力ある神代ケヤキ

こういった旅館や食事処の外だしメニューを見るのも、参道歩きの楽しみのひとつ
(左:山香荘、右:千本屋商店)

 ここから土産物街の先を行くと武蔵御嶽神社です。手水舎から随神門をくぐると335段の石段が続きます。途中の石段を注意深く見てみると、鬼の彫物が発見できます。初見では見逃しがちなので、是非ともインプットされたい。


各地講組の碑が立ち並ぶ

参道の階段沿いには、各地講組の碑が立ち並ぶ

武蔵御嶽神社

武蔵御嶽神社が見えてくる

石段の鬼

石段の鬼

太占斎場

日本最古の習わしが息づく太占斎場

 おいぬ様信仰、いわゆるニホンオオカミが畑を荒らす害獣を食べてくれることを敬う習わしから、いつしか愛犬の加護を担う存在へと変わる中で、今では愛犬を連れて参拝する人たちが後を絶ちません。
 お参り後には、歩くことに難が無ければ、西の自然路へロックガーデンの進路をとるのをお薦めします。一周2時間半(1.5㎞)のコースで、森の奥の緑の世界が堪能できます。(急坂や岩場などもあるため、トレッキングシューズで歩いてください)


ロックガーデン

ロックガーデン(岩石園)

七代の滝

七代の滝

綾広の滝

綾広の滝

    へび

茶褐色の小柄な”ヒバカリ”。水辺を好み泳ぐのが上手いヘビです

 ハイキングが終わったら町場通りの紅葉屋さんでお楽しみの一杯🍺…これがまあ、たまりませんね。それからこの店名物の「くるみ蕎麦」をいただきます。濃厚なくるみのつゆに自家製粉の蕎麦がよく絡んでとても美味しいです😋


冷えたビールで喉を潤す
自家製蕎麦みそのもろきゅう
舞茸天
紅葉屋名物のくるみ蕎麦

乾いた喉を🍺で潤してから蕎麦をたぐる




 御岳のもう一つの魅力が御岳渓谷です。
 JR御嶽駅を軸に多摩川の両岸4㎞程にわたり遊歩道が整備されていて、渓谷沿いの自然が満喫できます。また、美術館やおしゃれなカフェ、グルメを楽しめる店もあり女性にも人気スポットとなっているようです。

涼風なびく”やお九”のテラス席
テラス席から渓流を滑るカヤックをを望む
やまめの焼き枯らし膳
ふわふわ雪のかき氷(苺)

渓流を見下ろすテラス席で食事や甘味など...(御嶽駅近く、甘味とごはん処”やお九”)

 夏は何といってもカヌーやラフティングなどのリバースポーツが盛んで、最近は岩石を使った天然のボルダリングを楽しむ人もいるようです。この日も多くの人たちが楽しんでいました。


カヤック
川縁で見守る
天然のボルダリングを楽しむ人も多い
ラフティングツアー

御岳峡谷では大自然を満喫できるリバースポーツが盛んだ

 御嶽駅前から下流に向けて歩いていると、河原の岩の上に、羽の淵が白い野鳥“ササゴイ”が止まっていました。私たちは、望遠レンズを装着して野鳥の姿を追いましたが、残念ながらカメラに収めることはできませんでした。その代わりに黒アゲハやミンミンゼミを撮ってお茶を濁しました。


黒アゲハ
ミンミンゼミ
川遊び
澤乃井園

黒アゲハが舞い、夏を惜しむようにミンミンゼミがありったけの音量で鳴く遊歩道を歩く。川遊びをする人たちを眺めつつ御嶽駅から下流に向けて1.5㎞ほど進むと、小澤酒造が運営する澤乃井園が見えてくる

川沿いの庭園で日本酒を堪能する

純米吟醸”蒼天”

澤乃井園では、開放的な川沿いの庭園でお酒が楽しめる。もちろんつまみや軽食もある

(おわり)


(季節のバナー画像シリーズ取材班)