2019/04/15

【編集後記】展示会取材の裏側(2)

 皆様こんにちは。TEO取材班メンバーで展示会取材を担当しておりますO島と申します。 取材デビューしてから約1年半が経ちました。最初は要領を得ずに戸惑うことも多かったんですが、最近ようやく楽しんで取材ができるようになってきました。

 そんな私O島からは、展示会取材の裏側についてお話させていただきます。

突撃取材

 取材には体力が必要です。何といっても展示会場は広い。東京ビックサイトの全ホールを使って1週間も開催される大型機器の展示会では、取材対象企業が、東7ホール(東エリアの一番奥の東新展示棟)から西4ホール(西展示棟4階)まで分散していて、結構歩き回ることになります。

エスカレータで移動する会場

エスカレータで移動する会場

 事前にテーマを決めて、「この出展社のこの製品を取材したらおもしろい」と準備していくんですが、突撃取材は1回ですんなり成功するとは限りません。第一印象で信頼されないと断られてしまうこともあります。

 先方にこちらの趣旨を理解してもらえても、「今は取材可能か判断できる者がいない」とか、「本社広報に確認するので後で(できたら明日の10時に)また来てほしい」といわれてしまうこともあります。「取材はOKだが今は適切な説明員が不在なのでXX時にまた来て」なんていう時もあり、広い展示会場を効率良く回りたいときに何度もひとつのブースを再訪したりすると、もうくたくたです。

 再訪したら不在で、3度めでやっと取材ができたなんてことも、わりとあるんです。

出展社が大きいと会場も広い

出展社が大きいと会場も広い

 さあ取材という段になって、こちらが取材したい展示物ではないものを取材対象として希望されてくることもあります。よほどテーマに外れなければ、出展社の一推し製品を取材しますが、その製品と競合する他社製品の取材を予定していた時は、いちから取材先の再検討が必要になったりします。

 さて、インタビューが始まって、5~10分程度で適切な質疑応答も含めて終われたらベターなんですが、ご説明者によっては細かいことも含めて20分くらい朗々と話されたり、反対に淡白でほとんど説明していただけないこともあるんです。そんなときはこちらから質問をしますが、ご説明者のご年齢やご経験などを勘案して質問をしないと、想定したようなお答えはいただけないんです。質問と回答が噛み合わなくて汗をかくこと多々。

 良い話がうかがえても、良い画像が撮れない時もあります。ガラスケースに収まった製品やPC画面などのモニター表示は、撮影に苦労するんです。記事をおこしたときに、使いたい画像が撮影できていなくて悔しい思いをしないように、1回で30枚以上撮影します(それでも最適な画像がないケースも・・・)。ブースの照明の具合で、明るい場所と暗い場所がありますが、フラッシュなどこまめに設定を変えて撮れるほど時間の余裕はありません。見学者が大勢いる人気製品は、人混みが途切れないので撮影ができないんです。もちろん一般のお客様が取材より優先ですから「10時前か終了間際に撮影に来て」といわれることも多々。

来場者が増えると、会場移動だけで一苦労

来場者が増えると、会場移動だけで一苦労

 背景の展示が明るいと、ご説明者を撮影しても逆光で顔が暗くなるんです。フラッシュだと不自然になってしまう。それ以前に、まずカメラを向けるとほとんどの人は硬い表情の怖い顔になってしまいます(日本人の特徴でしょうか)。インタビュアーとカメラマンの二人三脚でご説明者を和ませながら、笑顔のベストショットが撮れたときは嬉しくなります。 また、撮影で顔出しNGというご説明者もいらっしゃいます。

⑧	後ろの展示が明るいと顔が真っ黒に

後ろの展示が明るいと顔が真っ黒に

 そんなに苦労するなら事前に予約して行ったらどうだ、と思われるでしょうが、出展社の広報・宣伝部門にそのような申し入れをすると話が重たくなって「指定日時に担当者を行かせるのでその日時で取材」ってなるんです。何より、実際に展示ブースを見てから取材しないと、事前の出展情報と違っていることもありますから。目当ての出展社が想像と違っていて、取材先をその場で差し替えることも少なくないんです。


 まあまあ苦労はありますが、面白い話をうかがえるのは突撃取材の醍醐味でもあります。



(O島)