高速フーリエ変換
(Fast Fourier Transform)
一般にFFT
と表記されることが多い。離散フーリエ変換と逆変換を高速に計算する手法、またはこの手法によりスペクトラムを測定するFFTアナライザを指している(スペクトラムアナライザといっている場合もある)。
信号の中の各周波数成分の含まれている度合を抽出する処理をフーリエ変換という。計測器のFFTアナライザは、入力信号の波形を高速A/Dコンバータにより抽出し、高速フーリエ変換手法により信号処理して、入力信号のスペクトラムを表示する測定器である。
FFTアナライザとスペクトラムアナライザ(スペアナ)は原理の異なる違うカテゴリーの測定器だが、同様に周波数波形(横軸が周波数で縦軸がパワー)を観測できるので、メーカによっては言い方が重複していることがある。一般にスペアナは測定周波数がkHz以上で、RF(MHzやGHzの無線周波数)の測定器である。対してFFTアナライザは振動・ひずみ・音などの解析に使われる、どちらかというと低周波の測定器で、測定周波数はMHz以下のものが多い。両者はともに「周波数スペクトルの測定器」だが、使用される市場やアプリケーションが全く違う。