高速バイポーラ電源
(highspeed bipolar amplifier)
バイポーラ電源の中で、周波数応答性能が100kHz以上ある、広帯域モデルを指す。広帯域とは、入力信号に高速で出力信号が追従するので、波形の立ち上がりなどが速いため、高速と呼んでいる。リアクタンス成分のある負荷を高周波で駆動する用途で使用される。ちなみにバイポーラ電源は英語ではBipolar Amplifierで、増幅器(アンプ)であり、電源(Source)ではない。
国産ではエヌエフ回路設計ブロック(エヌエフ)が1980年代に初めて商品化したといわれ、「高速バイポーラ電源とは、エヌエフの電力増幅器の品名」だった。ただし近年は松正プレシジョンなどの計測用電源メーカも高速バイポーラ電源を商品化している。汎用的な信号発生器であるファンクションジェネレータ(FG)の出力電圧はだいたい5V程度なので、バイポーラ電源を併用するともっと高電圧にすることができる。FGのNo.1メーカでもあるエヌエフは高速バイポーラ電源とFGを使った、圧電素子の高周波駆動のアプリケーションで2000年頃に売上を伸ばしている。
電子回路の高速化・高周波化の需要に対応して、新しい電子部品・素子が開発されると、高速バイポーラ電源による評価が行われる。