計測関連用語集

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電電ファミリー

NTTの前身である日本電信電話公社は製造部門を持っていなかった。研究開発を製品化するNTTの出入りメーカ(お抱え企業、下請けメーカ)をNTTのファミリー企業という意味でこう呼んだ。通信装置はNEC、富士通、沖電気、日立製作所がつくったのでNFOHと呼称された(一番はNとFで三番がOという、比率を表していると業界ではいわれた)。新しい規格に対応した通信装置(伝送交換)が導入されるときは、同じく電電ファミリーの大手通信計測器メーカ、アンリツと安藤電気が対応する計測器を開発した(たとえば1970年代から光ファイバによる光通信が導入されると、この2社が光通信測定器をつくり、R&Dから通信網の敷設・保守までほぼすべての測定器をラインアップした)。NTTは2社に仕様を示し製品を作らせる。性能が同じ2社の製品があることで、1社に依存しないというリスクヘッジになる。NTTが日本の基幹通信網を独占し、アメリカのベル研究所と肩を並べて研究開発をしていた時代のことである。
その後、通信の自由化によってNTTは分割され、ほかの通信事業者が参入して現在に至る。日本の通信料金は下がり安価になったが、研究開発や国際的な通信規格の策定の力は衰えたという指摘もある。NTTは2019年にIOWN (Innovative Optical and Wireless Network、アイオンと呼称)構想を公表した。光トランジスタの開発によって、従来の電子を使った半導体による通信網を完全なフォトニクスにすることで、世界的なゲームチェンジを狙う。NTTは2020年にNTTドコモの完全子会社化を終え、2021年にはNTTコミュニケーションズ(NTT com)とNTTコムウェアもグループ内へ編入する。過去の分社化から一転、強いNTTの復権がうかがえる。
JR東海は鉄道車両メーカの日本車輌製造(愛知県豊川市)を子会社にした。世界で競えるインフラを作り、輸出によって豊かな国になるためには、上流のR&Dから製造まで独占的な強い企業が必要という、冷徹な国際事情が存在する。たとえば原子力発電の世界有数メーカであるフランスのアレバ社はフランスの国有企業である。フランスは原子力発電を国策ととらえ、世界的なビジネスをしている。日本が世界に伍する技術分野に通信が復権するかはまだ不透明である。

参考用語:原子力発電所重電メーカパワー半導体

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