温度測定器
分類の仕方は様々で、デジタル式、光ファイバ式、温湿度計、などたくさんある。大きく温度センサによる接触型の温度計(ハンディ型が多い)と非接触型の放射温度計(赤外線の放射熱を利用)がある。温度計は計測器のデジタル化・コンピュータ化によって記録機能を装備し、記録容量も増し、「温度ロガー」が1つの大きな機種群となっている。ティアンドデイ(T&D Corporation)は「おんどとり」の通称で小型温度ロガーの老舗。放射温度計は赤外線で非接触に温度を計測するが、温度分布を測定し色画像で表示するものをサーモグラフィ(熱画像計測装置)と呼ぶ。サーモグラフィはセンサの進歩などにより、この10年で形状の小型化、精度の向上、低価格化して、普及が進んだ。最近はSARS(サーズ)や新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、人の顔の表面温度を測定して、空港や会場の入口で検査を行う機材の設置が増えた。監視カメラに温度センサを組込んでソフトウェアによって体表面温度を計測・表示する「サーマルカメラ」と呼ばれる製品群がベンチャー企業などから多く発売されている。温度計の計測器メーカとしてはガラスの棒状温度計をつくる佐藤計量器製作所やファイバ式温度計をラインアップする安立計器が、温度計専業メーカとして有名。非接触型では堀場製作所、チノー、日本アビオニクスがある(堀場は放射温度計だけでサーモグラフィは無い)。放射温度計、サーモグラフィではFLIR(フリアー)が世界的に高シェアだが、Flukeもラインアップが多い(工業分野に強いRaytek社製品はFluke Process Instruments社の扱いとなった)。日本の医療・計量・計測メーカであるエー・アンド・デイも「サーマルイメージカメラ」や「赤外線放射温度計」という品名のモデルがある。現場・環境測定器のtesto(テストー)にも赤外放射温度計がある。センサが豊富なキーエンスには「デジタル放射温度センサ」がある。温度の正確な計測にはセンサが欠かせないとして、「温度のチノー」を自称している株式会社チノーはセンサ開発に注力している。株式会社東亜計器製作所 には「日本薬局方温度計」や「JIS規格温度計」がある。このように温度測定器は大変広範である。