計測関連用語集

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詳細説明

振動計

読み方:

しんどうけい

カテゴリー:

#物理量測定器

(vibration meter)
測定対象の振動の大きさを測定する機器の総称。振動の大きさを示す物理量は変位、速度、加速度の3つがあり、評価したい内容によって3つの物理量を選択する。加速度の測定器は加速度計や(その重要な部位であるセンサを指して)加速度ピックアップと呼ばれることもある。単位は変位:cm、μm、nm、速度:cm/s、mm/s、加速度:cm/s2などが使われる。加速度はX-Y-Zの3軸を測定するのが一般的である。
物に応力が加わると少し変形することを「ひずみ」と呼ぶ(電気信号のひずみ、歪率などとは違う、大きさや長さの変位)。振動によって物体がたわむとき、短い時間周期で変形を繰り返すことを動ひずみと呼ぶ。つまり、振動(加速度などの計測)とひずみ(動ひずみなどの計測)は近い関係にある。では、振動の1つである変位はひずみかというと、ひずみは伸び(縮み)を比率で表したものなので無単位である(ひずみの原因になる応力は「物体に発生している単位面積当たりに作用する力」なので、単位はN/mm2。参考用語:ひずみ測定器)。
振動計測は多くの製品評価で使われる。工場の検査では完成品の振動測定をして良否判定をする場合もある(輸送中の振動を加振器(振動加振器)(※)で再現して破損しないことを確認する)。大型の重電機器であるタービンや発電機は、稼働中の振動をモニタして、安全な運転を管理する。機械設備の状態監視や振動測定を行うBently Nevada(ベントリーネバダ)などがある(Waygate Technologies、ウェイゲート・テクノロジーズ)。人体への振動の影響は、基準加速度に対する比率を表す振動レベルを測定する(振動レベル計)。振動レベルはISOJISなどで規定があり、自動車や鉄道車両の乗り心地の判断に使われる。地震計も振動計の1種といえる。
運輸機器(鉄道、飛行機、自動車など)の車体は、振動ではなく動ひずみを測定して評価される(参考用語:ひずみデータロガー)。このように、振動測定とひずみ測定はアプリケーションによって使い分けられ、近い関係にある。
振動計の肝はセンサである。センサの種類によって、接触式(以下の1~3)と非接触式(4)がある。
1.圧電式:振動によって生じた力を圧電素子(ピエゾ素子)で電圧に変換する。圧電型加速度センサ(IEPEICP)などがある。
2.電磁式:磁石とコイルで構成され、振動によって両社の位置関係が変化すると電磁誘導で電流が変化する。電流を測定して振動大きさを知る。
3.機械式:MEMS(micro electric mechanical system)素子を使い、可変電極の変位による静電容量の変化を測定する。
4.非接触式:レーザー光を照射して変位を測定する光学式や、ドップラ効果を応用したレーザードップラ振動計などがある。非接触式はセンサ(ピックアップ)を測定対象に装着する必要がないため、小さな物や高温の場合などに使われる。

(※)振動の加振器(振動試験機)を振動計に入れるかは意見が分かれる。振動計は振動を測定する計測器でハンドヘルドも多い、振動を測定する計測器である。加振器は振動を与えて耐久性を試験するもので、外観は恒温槽などに近い大型の機器(検査装置)である。加振器メーカが振動計もつくっていることはあるが、振動計メーカと振動試験機メーカは異なっている。前者はリオンやアコー、小野測器、昭和測器などで、後者はIMVエミック

参考用語
参考記事
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