計測関連用語集

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詳細説明

伝送

読み方:

でんそう

カテゴリー:

#伝送/交換装置用測定器

(transmission)
2つの意味がある。
1.電気信号やデータを送る、伝えること。たとえば、伝送路(伝送線路):電波や光などの電磁波が伝わる経路のこと。高周波(RF)や光通信で使われる媒体(導波管光ファイバプリント基板上のパターンなど)を指すこともある。遠隔に置かれた2つの装置の間で信号やデータのやり取りをすることを「通信」ではなく「伝送」という場合がある。
2.基幹通信網(コアネットワーク)で情報を伝達する装置のこと。NTTの設備である伝送装置やそれらに携わる部門のこと。伝送装置用の計測器は通信計測器の大きな1カテゴリーである。アンリツ大井電気などの計測器メーカがラインアップしている(安藤電気アドバンテストは過去につくっていたが現在はない)。

自動車関係者の「でんそう」は「電装:自動車に装備される電気関係の機器」のことで、ここでいう通信の「伝送」ではない。自動車産業も多くの計測器を使うため、「でんそう」から通信の伝送と自動車の電装のどちらを連想するかは人による。「光測定器」と聞くと、太陽光の光(や蛍光灯などの照明)の明るさの計測器(照度計輝度計)を連想するか、光通信測定器(光パワーメータOTDR)のことだと思うか分かれるのと似ている。計測器の販売額(ポテンシャル)としては通信計測器(伝送装置用や光通信)が大きいので、「でんそう」は伝送、「光測定器」は光通信を指している場合が多かったが、世界的に基幹通信網に新しい伝送装置の導入や、光通信網の拡大がされているわけではないので、現在(2022年1月)は電装や輝度計のほうがメジャーかもしれない。

工業計器の1種で、プラントに多く配備される伝送器(でんそうき)には圧力伝送器などがある。漢字が「伝送」だが、ここで説明している通信の伝送とは全く関係がない。計装の伝送器は「伝送」と略記されることはないので、(漢字が同じだが)通信の伝送と間違われることはない。通信の関係者はプラントに配備されている「伝送器」や「圧力伝送」ということばを聞くと、「物理量の圧力と通信の伝送がどういう関係なのか?」、と一瞬混乱して理解ができなくなる。つまり工業計器の伝送器は(計装の関係者には当たり前のことばだが)通信の関係者には耳慣れないことばなのである。「圧力伝送器とは公衆通信網のどの位置に配備される伝送装置なのか?」、「何bpsの速度で通信する機器なのか?」と想像してしまう。計測・通信・計装の世界では同じことばが違う意味で使われることは良くある(素人には理解しにくい世界である)。

参考用語
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