ワイドレンジ電源
(wide output DC power supply)
規定している定格電力内で、電圧/電流を任意に設定可能な直流安定化電源
。従来の電源は電圧と電流の最大値で規定しているが、この種類の電源は電力(容量)で規定している。電圧(または電流)を最大に設定したときは、規定されている電力の値から電流(または電圧)の値が決まる。ズーム電源とも呼ばれる。
DC電源の種類としては、従来の単一レンジ(電圧/電流で仕様を規定)ではなくワイドレンジ(定格出力電圧で仕様を規定)で、新しい機種群として2010年代に確立した。安定化の方式でいうとドロッパ方式ではなくスイッチング方式の1種である。菊水電子工業や高砂製作所、テクシオ・テクノロジー
などの計測用DC電源の大手メーカでは、現在の直流安定化電源の主力製品となっている。
1991年に高砂製作所が「ワイド入力・ズーム出力」のコンセプトで発売した。そのため高砂製作所は「ズーム電源」といっている。その後、各社が同様の製品群を「ワイドレンジ電源」の名称でラインアップして、DC電源の主力機種群になった。キーサイト・テクノロジーは「オードレンジ」と呼称している。