計測関連用語集

TechEyesOnlineの用語集です。
計測・測定に関連する用語全般が収録されており、初めて計測器を扱う方でも分かりやすく解説しています。
フリーワード検索をはじめ、カテゴリー、索引から簡単にお調べいただけます。

フリーワード検索

詳細説明

レコーダオシロ

読み方:

れこーだおしろ

カテゴリー:

#オシロスコープ

(oscilloscope like a recorder)
横河電機の計測器事業部門(現横河計測)は1990年代に、多チャンネルの波形測定器AR4000シリーズ アナライジングレコーダや、OR/ORPシリーズ(OR100/OR300/OR1400、ORP1200/OPR1300など)オシログラフィックレコーダなどのチャート式メモリレコーダをつくっていたが、2000年代前半に生産中止となった。後継機種として、1997年にDL708デジタルスコープを、2002年に1Gワードのメモリを搭載した「データ・レコーダ付きディジタル・オシロスコープ」DL750 ScopeCorder(スコープコーダ)を発売した。以降、スコープコーダはモデルチェンジを続け、DL850、DL950、DL350などが発売されている。名称から明らかなようにこの機種群(スコープコーダ)はレコーダオシロである(oscilloSCOPEとreCORDERが合体した命名。オシロスコープの「スコープ」とレコーダの「コーダ」を組み合わせた名称)。
レコーダなのか?オシロなのか?とは愚問である。同社はDL750のプレスリリースで「レコーダの様なオシロ」といっている。なので、当サイトではオシロのカテゴリー(機種群)に「レコーダオシロ」という分類をつくり、同社のスコープコーダを掲載している(アナライジングレコーダとオシログラフィックレコーダはレコーダに分類)。
スコープコーダと競合するのはメモリレコーダである。そのため、一般的にはスコープコーダ(現役モデルはDL950、DL350)はオシロではなく日置電機のメモリハイコーダのようなレコーダである。ただし、メーカは発売時に「レコーダ機能があるオシロ」、とオシロであると主張している。形名に同社のオシロと同じ「DL」を付けていることもその主張を裏付けている。

横河電機は1924年に電磁オシログラフを国産化した実績をもち、波形記録装置としての記録計(レコーダ)の老舗である。顧客ニーズに応える計装(プラント向け)レコーダを常にラインアップし続けている。横河電機の計測器部門は「メモリオシログラフ」や「オシログラフィックレコーダ」というオシロのような名前のレコーダを作り、1980年代にDLシリーズでデジタルオシロに参入後は、同じ形名のDLを使ったスコープコーダというメモリレコーダをつくったといえる。
スコープコーダはメモリレコーダなので、レコーダに分類するのが妥当だが、メーカの意向を勘案してオシロの中に「レコーダオシロ」なる項目をつくった。ただし2023年2月の横河計測ホームページの製品ページでは「データロガー/データ収集(DAQ)」にスコープコーダは掲載されているので、当サイトの計測器情報の機種群(カテゴリー)を改修する際はレコーダオシロという項目は削除されると思われたが、2023年10月現在、スコープコーダはデータロガーのページと「オシロ/波形測定器」のページの両方に掲載され、「オシロでもありレコーダでもある。両者のいいとこどりの中間の仕様。」という位置づけになっている。

レコーダオシロという名称は一般に認知されていることばではない。横河電機がレコーダのようなオシロをつくったので、それを分類することばとして横河レンタ・リース(当サイトの運営会社)がつくった造語である。横河計測のスコープコーダはカタログ仕様を見ればメモリレコーダだが、他社のモデル(メモリハイコーダやオムニエースとは設計思想が違う、独特なポジションに筆者には思える。研究機関などの波形測定ニーズに応えたらこのような仕様の製品ができた、ということかもしれない(つまり需要があってレコーダオシロは存続している)。

参考用語
参考記事
計測器情報
プレミアム会員様限定限定クーポンを手に入れよう !