計測関連用語集

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詳細説明

ラップトップ型計測器

読み方:

らっぷとっぷがたけいそくき

カテゴリー:

#プロトコルアナライザ

ラップトップ(laptop)「膝の上」という意味。1990年代のPCはデスクトップ (卓上)からハンドキャリーできる小型化が進み、板状のノートPCと、その中間のサイズでポータブル型のラップトップが発売された。ラップトップPCはノートPCほど小型ではないが、可搬できるサイズと重量で、使いたい場所に持ち運んで利用できた。欧米で使われている可搬型のタイプライターに外観は似ている(PCなので重量はタイプライターより重い)。手前のカバーを開けるとキーボードがあり、開閉した蓋の裏側は表示器(ディスプレイ/モニタ)になる。
1990年代の計測器でプロトコルアナライザ(プロアナ)などのデジタル系のものは、ラップトップPCに似た形状のモデルがあった。国内プロアナのトップベンダーだった安藤電気がAE-5105の次に開発した可搬型のAE-5106は構造がラップトップPCに似ている(余談だが、さらに小型のハンドヘルド型のAE-5108は、まるでビッツやラインアイのような形状だったが、競合に勝てずに短い販売期間で生産中止になったと記憶している)。当時、オシロスコープの老舗計測器メーカである日立電子も、ラップトップPCに似た構造の小型・可搬型のオシロスコープを発表していた(VC-5430は小型のB5サイズだが、構造はラップトップ。2ch、30MS/s、50MHz)。
当時普及しはじめたLANを評価するプロアナの代表であるsniffer(スニファー)などは(プロアナが屋外の現場で使うという特性から)可搬型のラップトップPCを流用して、ハードウェアはPCで、内部にプロアナをソフトウェアとして内蔵させ、外観はラップトップPCで、プロアナのモデル名を印字した機種があった。最先端技術の製品である小型化された可搬型PCを使って、最先端の計測器であるLANプロトコルアナライザを実現した例である。
HP(現キーサイト・テクノロジー)の1990年代のプロアナの代表であるネットワークアドバイザは、当時の通信規格であるLANやWANに広く対応した、可搬型の箱型の筐体だった。取っ手が付いた箱を使いたい場所に置き、蓋を開けると、キーボード(入力をする操作部)と表示部(モニタ)が現れるので、構造的にはラップトップPCに似ている。2023年現在、すでに生産中止だが、同社には「J7332A 無線LANアナライザ・ラップトップ」という名称のプロアナがあった。
「ラップトップ型キーボードを採用し、小型軽量でありながら優れた操作性を発揮」というキャッチフレーズのプロアナが現役モデルで販売されている(2023年1月現在)ので、ラップトップ型計測器は、数は減ったがいまだに健在である。

参考用語
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