計測関連用語集

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詳細説明

バイポーラ電源

読み方:

ばいぽーらでんげん

カテゴリー:

#障害・EMI試験器

(bipolar amplifier)
通常の計測用電源はプラスかマイナスのどちらかしか出力できないが、バイポーラ電源はプラスからマイナスまで出力できる。電流・電圧ともにできるため、I-Vグラフ(電流と電圧の関係を示すグラフ)の1象限から4象限まで全領域で動作可能な増幅器である。4象限可能ということは、通常の電源のように出力(source、ソース、供給)するだけでなく吸い込み(sink、シンク)ができるということ。キャパシタやインダクタに流れる交流信号の電圧と電流は同相でないため、瞬時値では電圧と電流が同じ向き(両方ともプラスやマイナス)とは限らない。4象限に対応したバイポーラ電源はキャパシタ(容量性負荷)やインダクタ(誘導性負荷)というリアクタンス成分がある負荷を安定して駆動できる。4象限できることがバイポーラ電源の定義になっている。
bipolarは正・負などの2極(双極)、2つの相反するものの意味。バイポーラ電源の語源は「ソースとシンクの2つがある」や「内部の制御部に検出器が2つある」など諸説あるが不明。
英語ではBipolar Amplifier(アンプ、増幅器)で、電源(Source)ではない。電源は発生源を持っているが、増幅器は発生器を持たず入力と出力のみ(一部のバイポーラ電源には発生源があるモデルがあり、「発生器内蔵」と注釈されている)。バイポーラ電源という名称が定着しているが、最近はバイポーラ増幅器といったり、直流電源ではなく電力増幅器の項目に掲載していることもある。
種類は次の2つが主流。1.大電流(高出力)モデル:大電流の増幅器として車載機器の評価に使われる。2:広帯域モデル:高速バイポーラ電源の名称で、電子部品などの素子の高周波駆動に使用。計測器メーカは、上記の1は菊水電子工業とエヌエフ回路設計ブロック(エヌエフ)、2はエヌエフが長年寡占だったが松正プレシジョンが近年参入した。バイポーラ電源は1980年代にエヌエフが日本では初めて商品化したといわれ、現在も国内トップシェア。計測商社や計測器メーカが海外製品を取り扱っているが、シェアは前述の国産メーカが高いと推定される。

参考用語
参考記事
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