計測関連用語集

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詳細説明

ネットワークアドバイザ

読み方:

ねっとわーくあどばいざ

カテゴリー:

#プロトコルアナライザ

(Network Advisor)
HP(ヒューレット・パッカード、現キーサイト・テクノロジー)の1990年代後半のプロトコルアナライザ(プロアナ)、J2300シリーズの名称(現在は生産中止)。外観は取っ手のある箱で、持ち運んで使う(ハンドキャリーできるポータブル)サイズだった。蓋を開けると、キーボードとモニタが現れた。この構造は当時のラップトップパソコンに似ている。普及しつつあったLANや(広域網の)WANなどに対応した。ラップトップの箱の下にユニットを付けて多種類のインタフェースに対応した(箱の厚さが増す)。ユニット(オプション)の構成によって仕様が異なり、たとえば以下のような解説の製品があった。
Hewlett Packard J2300C Internet Advisor(WANユニット付き):軽量で持ち運びに便利。ユニットを使用すると50bps~2Mbpsまでの主要なWAN通信プロトコルを監視できる。対応する規格はフレームリレー、ISDN、X.25、HDLC、SDLC、SNA、非同期PPP、およびWAN(ワイド エリア ネットワーク)上で実行されるカプセル化されたLANプロトコル。
当時のHPの形名は数字4桁(または5桁)がほとんどで、頭にアルファベット大文字を1文字つける形名は大変特殊だった。ATMアナライザなどの有線通信用の専用測定器には頭にEがついたモデルがあり、これはメインフレームとユニットで構成するモジュール型の製品が多かった。同社のプロトコルアナライザはこのJ23xxを筆頭に、1990年代以降は独特の形名になった。1980年代に安藤電気のAE-5100シリーズと競った、RS-232Cなどのプロアナ(4953Aなど)の次世代モデルがJ2300になる。4953AまではHPの従来製品だが、それ以降のプロアナはM&Aで吸収した機種が登場する。頭がEで始まる形名でユニットの構成によってWAN/LANアナライザとかWAN/WAN(わんわん、と呼称)アナライザなどと呼ぶモデルが1990年代前半にあり、J2300はその後でリリースされる。
ネットワークアドバイザは2002年のJ2300Eが最後のモデルで、2003年には次のモデルNetwork Analyzer J6800シリーズが発売されている。インターネットやIPの急速な普及によって広域網の通信規格は変遷し、イーサネット以外のプロアナはだんだん姿を消していった。2010年代にはギガビットLANなどの、より高速な規格に対応したプロアナ(データキャプチャ測定器)が残り、キーサイト・テクノロジーにはプロアナ製品はなくなった(バスアナライザは最後まで残っていた)。
2000年代以降はスマートビットなどの負荷試験機がプロアナに代わり活躍する。IP負荷試験装置としてSmartBitsと競ったIXIA(イクシアコミュニケーションズ)社を、キーサイト・テクノロジーは2018年に買収している(ただし計測器である負荷試験機ではなく、IXIAのネットワーク機器が魅力だったと推測する)。
どちらにせよ、1980年代のRS-232Cの時代に世界的なプロアナのブランドだったHPと安藤電気の両社は、通信速度の高速化に伴い2010年頃にはプロアナから撤退した(高速のプロアナは他社でもギガビットLANくらいしかなくなった)。現在のプロアナは、低速(RS-232Cなど)のオンラインモニタ(ラインアイ社など)と、Bluetoothなどのバスアナライザになっている。
Advisor(アドバイザ)は、HPが本格的なLANプロトコルアナライザをつくった製品の名前だが、LANのプロアナとしてはsuniffer(スニファー)のほうがシェアが高かった。

計測器情報:J2300E Advisor WAN

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