トリガレベル
(trigger level)
オシロスコープのトリガで、トリガソース信号がそのレベルに達することで水平掃引を開始する電圧レベル。(2017年発行 テクトロニクスの冊子「オシロスコープのすべて」より)
アナログオシロスコープにトリガ機能が備わったとき、トリガレベルとスロープ
をキーにした。スロープとは信号の値が増加(または減少)していく、波形の傾斜(勾配)を指す。増加するスロープを立ち上がり、減少するスロープを立ち下がりと呼ぶ(トリガスロープ)。トリガの基本機能(種類)であるエッジトリガは、スロープとレベルを設定し、信号がこの条件を満たすとトリガがかかる。トリガレベルをしきい値とみなして、これをスレッショルド・クロスとも呼ぶ。
トリガレベルは通常、オシロスコープ表示画面内の右端に小さな矢印で示される。矢印の色は選択されたトリガソースのチャンネルの色に対応している(現在のオシロスコープは入力チャンネルごとに色があり、色表示によって視覚的に何chの波形か、判断を容易にしているモデルが多い)。トリガレベルはピークツーピーク電圧の50%に設定するとH/Lのしきい値に近くなるが、使用者の意図によって自由に設定される。
現在の電子デバイスは駆動電圧が低電圧化(省エネ)し、H/Lの電圧値が異なるデバイスが多く混在する。そのため、それぞれにスレッショルド電圧を設定しないといけない。オシロスコープのトリガレベル設定は1つで、トリガソースを何の入力信号に選択しても共通の1つの値である。そのため、スレッショルド電圧が異なるデバイスを観測している別の入力チャンネルをトリガソースに選択したら、トリガレベルを変更しないといけない。高機能なモデルでは、入力チャンネルごとに異なるトリガレベルを設定できるものもある(すべてのチャンネルで共通の設定にすることも可能)。