ディップメータ
(dip meter)
共振回路やアンテナの共振周波数を測定する計測器。発振回路に真空管が使われていたころ、共振したことを真空管のグリッド電流の減少によって検出したため、グリッドディップメータ(GDM)と呼ばれたことが語源。dipは「下がる」、「探る」の意味。当時はアナログの指示計器で、メータの針が共振周波数で小さい値を指示(指し示)した。メーカによっては「デップメータ」と呼称。
三田無線研究所のDELICA DMC-230S2/DIGITAL DIP METERや、大松電気(現リーダー電子)のLDM-810/グリッド デップメータやLDM-811/TRデップメータなどがあった(形名/品名を記述)。品名のTRはトランジスタの略記である。LDM-811の製品説明には「トランジスタとダイオードを使った高感度の超小型デップメータ、屋上や野外で活用できる」とある。LDM-810の広告には「ニュービスター(※)を使い、極めて安定な発振回路を有する超小型デップメータ。アマチュア無線用として設計」とあり、価格はLDM-811の半額以下である(1964年9月発売のトランジスタ技術創刊号の表3広告)。
(※)米国のRCA社が考案した真空管。