計測関連用語集

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詳細説明

ゼロエミッション

読み方:

ぜろえみっしょん

カテゴリー:

#その他

(zero emission)
CO2などの環境を汚染する排出物をゼロにする構想、取組み。世界の多くの国が「2050年にCO2排出を実質ゼロにする」ことを目指している。欧州が進んでいて日本は遅れている。日本の発電所の電源構成は東日本大震災(2011年3月11日)までは原発を主力電源として比率を増加させていた(再生可能エネルギーである太陽光は導入が進んだが、発電が不安定で大きな比率になるのは根本的に難しい)。ところが3.11によって原発の稼働率は激減し、火力の比率が高まってしまった。再生エネはCO2を排出しないが、代表格である太陽光は買取価格の低下などで、導入が大きく鈍化している。日本の重電メーカには、CO2排出量が少ない、世界に誇れる複合型の火力発電システムがあり、これを国策として世界に輸出したいが、世界の流れは脱火力発電に加速した。そんなことが日本がゼロエミッションに積極的でなかった背景といえる。ただし、菅首相は国会での所信表明演説(2020年10月26日)で「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」と発言し、大きな方針転換となった。東京都は12月に「2030年までに都内で販売される新車を電動車(xEV)にする」方針を発表した。自動車の電動化と発電所の再生エネ化などのCO2削減の記事が12月の新聞1面トップにいくつも並んだ。しかし、2022年2月の東北地方の地震で東京電力の火力発電所は被害を受けて停止し、3月の寒い日(電力需要が高まる)には、電力需給ひっ迫警報が発令された。ゼロエミッション政策に従って古い火力発電所を廃止し、原発を稼働させない状態を続けたツケが回ってきたのだ。おりしもロシアとウクライナの戦争が2月に始まった影響で、石油や石炭などの価格が高騰し、世界各国のエネルギー政策は一変した。経済安全保障の観点からも、日本の発電所の電源構成の再見直しが必要、という意見も出ている。
参考用語:カーボンニュートラル

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