計測関連用語集

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詳細説明

シングルエンド

読み方:

しんぐるえんど

カテゴリー:

#オシロスコープ #プロトコルアナライザ

電気信号の伝送方式には大きくシングルエンドと差動がある。信号線が1本で、グランドとの電位差によって信号を伝送しているのがシングルエンド。single-ended signalling(最後まで1本で伝送する方式)が語源と推測される。2本の信号線を使い、1本にはプラスの信号を、もう1本にはマイナスの信号を送り、差分で1か0を表現するのが「差動(ディファレンシャル、differential)」である。シングルエンド方式は電線が1本で簡易だがノイズの影響を受けやすく、長距離、高速通信には向かない。差動はオシロスコープ(オシロ)のプローブの品名に大変よくでてくる。
オシロなどではシングルエンドと呼ばれるが、有線通信の分野では(たとえばプロトコルアナライザの解説などでは)不平衡と呼ばれる。2本での伝送は平衡と呼んでいる(1本には伝送したい信号を、もう1本にはその信号の逆位相信号を送ると、信号が平衡関係にあるため)。たとえばシリアル通信の代表的な規格であるRS-232Cは不平衡。
シングルエンド(single end)=不平衡(unbalance)で、両方は全く同じことを違う表現をしている。シングルエンドは、「ある電圧を基準として、それより電圧が高いか低いかで1と0を表現する」伝送方式とも説明されている。「(2本の)差動」と「シングル(1本で)エンド(最後まで伝送)」という表現がシングルエンドと差動の語源である。見方を変えると「(2本の線が)平衡(している)」、「(1本なので平衡していない、つまり)不平衡」という表現になる。
計測器は機種群(カテゴリー)ごとにその測定原理があり、それに沿った解釈や用語がある。そのため、全く同じ現象を別のことばで表現していることがある。オシロやプローブは差動やシングルエンド、有線通信では平衡、不平衡、と説明される。計測の初心者からは「どちらか1つに統一してくれ」という声が聞こえてきそうである。それ以前に、差動とシングルエンドが対になる用語であることを、その名称から推測することはほぼ無理である。

参考記事
計測器情報
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