VNA
Vector Network Analyzerの略記。ネットワークアナライザ(NA)には従来、スカラー(※)型とベクトル型(VNA)があり、前者は下位モデルで安価、後者は上位で高額だった。最近はスカラー型が減り、ほとんどのNAがVNAになり、特別にいわないでもNAといえばVNAが多い。ただしキーサイト・テクノロジーの技術資料にはVNAの表記がある。またNanoVNAなる計測器がAmazonなどの通販で販売されている。1万円でGHzオーダの測定ができる安価で、カードサイズの小型VNAで、ホビー向け電子工作の記事を満載している月刊誌、トランジスタ技術などにNanoVNAで実測した例が掲載されている。
(※)ベクトルは大きさと向きを持っている。圧力、加速度など多くの物理量がベクトルである。特に電気信号はベクトルで表現される(電子回路理論の複素数表記)。スカラー(scalar)とは大きさのみを持つ量の事をいい、ベクトルに対比して使われる用語。VNAは大きさ(dB)と向き(位相など)のベクトル量(実数部と虚数部の2つを持つ複素数)で測定できるが、大きさだけを測定する安価なモデルがスカラー型NAだった。昔はNAは高価な測定器だったが、技術革新によって安価なVNAが流通するようになった。