STマイクロエレクトロニクス
(ST Microelectronics)
[半導体デバイスメーカ]
イタリア、フランスを中核とする半導体デバイスメーカ。スイスのジュネーヴに本社がある多国籍企業。自動車向けの製品に強みがあるといわれるが、マイコンやトランジスタなどの汎用品から、スマート・ドライビングやIoT向けのデバイスまで幅広くラインアップしている。
STM32マイコンやパワー半導体(SiCなど)の製品が有名。2021年のパワー半導体のメーカ別売上高ランキングでは世界No.3(シェア約10%)である。パワーデバイスをつくっているので日経エレクトロニクスの広告では常連である。またSTM32は月刊トランジスタ技術(トラ技)でも特集記事が組まれている(2023年9月号など)。
「STM32 Value line discovery」は1000円強で入手でき、メーカ純正デバッガ付きの超お手軽ARMマイコン基板のため、トラ技では「STM32ディスカバリ」と呼称し、「世界の定番ARMマイコン 超入門キット STM32ディスカバリ」という書籍を発行している。つまり、STM32はホビーの電子工作に使われるマイコンのシリーズがある、ということである。
2024年12月のSTM32 Summitでは技術セミナーとハンズオンが開催された。日時は、東京:12/13金、大阪:12/17火。午前(10:00-12:40)と午後(13:30-17:00)の2回、同じ内容で開催。技術セミナーではSTM32のロードマップやマルチメディア機能、Bluetoothオーディオ、AIアクセラレータなど、マイコン以外のSTM32のラインアップ(通信やAI機能)が紹介された。
米国の市場調査会社Gartnerは2024年1月に「2023年の世界半導体メーカ別売上ランキング」を発表した。STマイクロエレクトロニクスは自動車分野の好調から前年比7.7%増で、前年の11位から8位に順位を上げトップ10に入った。7位のAMDとは売上額でまだ1.3倍の差があるが、10位のTI(テキサス・インスツルメンツ)の売上額は追い越した。トップ5は順番に、インテル、サムスン(メモリ)、クアルコム(移動体通信)、ブロードコム(通信)、エムビディア(GPU)である。