RTD
(Resistance Temperature Detector)
直訳すると「抵抗・温度・検知器」で、「温度を検知する抵抗」である。日本語では「測温抵抗体」(温度を測定する抵抗体※)と呼ばれる。温度センサとして熱電対とともに良く使われる。RTDという略記も大変良くされる。
一般に金属は温度によって抵抗が変化する。抵抗値と温度の相関にリニアリティ(直線性)がある材料を選びRTDをつくる。構造はセラミックやガラスの上に1本の金属線があり、これを回りから保護して、2本の端子を出している。安定性が良く、入手が容易な白金(Pt100)がもっとも良く使われる。記録計(レコーダやデータロガー)の温度センサとして使われるアクセサリだが、計測器メーカではなく山里産業などの専業メーカが豊富にラインアップしている。センサメーカとしては立派な商品であるが、機器メーカからすると消耗品の位置づけと思われる。
一般に英語でRTDとはReady to drinkの略語で、缶コーヒーや缶カクテルなどの缶飲料の総称だが、計測用語では温度センサのこと。
※ 測温抵抗ではなく測温抵抗体と「体」を付けた理由は不明。熱電対も同じように金属を使った温度センサだが「熱電対体」などとは呼称しない。RTDを日本語に翻訳するにあたり、明確な理由があるに違いないが、一体この「体」はどこからきたのか謎である。ネット検索しても測温抵抗体の語源、由来で、「体」に関する解説はない(2025年1月現在)。